Windowsストアアプリの基本をおさらい
Windows 8の新しい特徴のひとつに、Windows 8スタイルのUIで動く「Windowsストアアプリ」(以下ストアアプリ)がある。ストアアプリはWindowsストアでしか販売・提供されず、すべてがマイクロソフトの審査を受けたアプリケーションだ。今回の特集はストアアプリの紹介特集であるが、その前にストアアプリの基本について簡単に説明しておこう。
ストアアプリはマイクロソフトの審査が必須
ストアアプリは「ユーザーがアプリケーションを信頼できること」が原則のひとつになっており、マイクロソフトが定めた「認定の要件」を満たさなければ、アプリをストアに載せるための審査に通らない。
要件の定義は、「Windows 8の標準ジェスチャーと異なるものは使えない」と言ったものから、「対象年齢が16歳を超えるコンテンツは不可」※1、起動画面が出るまで5秒以内、中断は2秒以内といった「サクサクさ」の規定(これはかなり厳しい)までかなり細かいものになっている。MSの認定作業を軽減するためにWindowsアプリ認定キットも用意されている。
※1 ゲームで使われているレーティングでは「PEGI 18」「ESRB ADULT」「CERO Z」が該当。ソーシャルメディアへアクセスするものは「12歳以上」となる。
x86/x64向けのアプリとWindows RT向けのアプリは、まとめたパッケージとして配布できる。購入したアプリは最大5デバイスまでの利用が許されているので、自宅のデスクトップとモバイルPCで同じアプリを入れる、といった使い方も可能だ。
ストアアプリが提供する機能はアプリ内で完結するか、Windows 8が持つ機能を利用するだけになる。例えば、Windows 8にはMPEG-2のデコーダーが含まれていないので(関連記事)、DVD再生のためには別途「Windows Media Center」かサードパーティー製のデコーダーをインストールすることになる。しかし、ストアアプリ自体は外部プログラムをインストールできない。
そのため、例えばサイバーリンクの「PowerDVD」(デスクトップアプリ)をインストールせずに、ストアで販売している「PowerDVD Mobile」のみを導入した場合、別途MPEG-2デコーダーを入手しない限りDVD再生ができない。PowerDVD MobileそのものにMPEG-2デコーダーを含めれば実現できるかもしれないが、アプリのサイズや効率を考えたら非現実的だ。
またx86版とARM版は、完全に同じというわけでもない。今回紹介するアプリは、可能な限り両方で動作するものをチョイスしたが、ARM版が提供されていないものもいくつかある。要件を満たすのにかなり苦労しているものもようで、例えば定番ゲームアプリである「Minesweeper」で言うと、「5秒以内の起動」条件を満たすために、起動後にさらにローディング画面が表示されるとか、クリア後の「花火」エフェクトがARM版では省略されている。

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