インテルは13日、HPC分野向けのコプロセッサーカード「Xeon Phiコプロセッサー 5110P」「Xeon Phiコプロセッサー 3100」を発表した(関連記事)。
Xeon Phiシリーズは、「Intel MICアーキテクチャー」と呼ばれるメニイコアプロセッサー技術による最初の製品で、コード名「Knights Corner」と呼ばれていたもの。「Pentium」をベースにした超小型x86 CPUコアを、5110Pの場合60個も集積したメニイコアプロセッサーとなっている。
細かい仕様が公表された5110Pの場合、60コア/240スレッドで動作周波数1.053GHz。カード上に8GBのGDDR5メモリーを搭載し、メモリー帯域は320GB/秒。TDPは225W。ピーク演算性能は1.011GFLOPSにも達するという。ベースとなるシステムとの接続インターフェースは、PCI Express x16を使用する。
現在のHPC分野では、GPUを汎用演算に使う「GPGPU」を使ったアクセラレーターを使うシステムが非常に多い。しかしGPGPUシステムでは、システムを制御するプロセッサー(ほとんどの場合x86 CPU)と、GPUではまったく異なるアーキテクチャーのプロセッサーを使うため、異なるプロセッサー向けにそれぞれのプログラムを用意しなくてはならないという手間がある。インテルではXeon Phiの利点について、インテルが提供する開発ツール(Intel Parallel Studio XE 2013、Intel Cluster Studio XE 2013など)を使い、1つのプログラミングモデルで開発できるのが強みであるとしている。
Xeon Phiのカードはインテルからシステムメーカーに出荷される。単体の価格は、5110Pが2650ドル程度、3100シリーズが2000ドル以下と想定されている。