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エプソンの小型GPSモジュール技術を採用

セイコー、世界初のソーラーGPS腕時計を9月から発売

2012年03月05日 21時30分更新

文● 大河原克行

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 セイコーホールディングス、セイコーウオッチおよびセイコーエプソンは、世界初となるソーラーGPSウオッチ「セイコーアストロン」を発表。2012年9月下旬から、セイコーウオッチを通じて発売する。

「<セイコー アストロン> ブライトチタンモデル」(SAST005)「<セイコー アストロン> ステンレススチールモデル」(SAST011)

 ケースとバンドに軽量素材のブライトチタンを採用したブライトチタンモデル「SAST003」および「SAST005」の価格は19万9500円。硬質コーティングを施した「SAST007」の価格は21万円。従来よりも4倍の引き裂き強度を持ち、耐久性に優れた強化シリコンバンドを採用したステンレススチールモデルの「SAST009」は15万2250円、硬質コーティングモデルの「SAST011」が15万7500円。

ブライトチタンモデル「SAST003」「SAST005」「SAST007」ステンレススチールモデルの「SAST009」「SAST011」

 セイコーアストロンは、全世界39のすべてのタイムゾーンに対応しており、ユーザーが時差やタイムゾーンを知らないときでも、ボタン操作ひとつで、いつでも正確な時間を知ることができる。

 セイコーエプソンが開発した小型、高精度、低消費電力の小型GPSモジュールを採用。このGPSに、衛星からの微弱なシグナルを受信する小型アンテナなどを組み合わせることで、4基以上のGPS衛星からの電波を受信し、緯度、経度、高度情報を特定し、ユーザーの現在地を測位。地球全体を約100万個に分割したブロックの中から、自動的に現在地のブロックを特定し、正確な位置情報に基づく時差修正を行なう。

 高度2万メートル上空を旋回する24個のGPS衛星には、10万年に1秒という高精度の原子時計が搭載されており、この時刻情報を使用する。

 通常の電波時計とは異なり、電波塔による標準電波が届かない地域でも、衛星の電波による時刻修正が行なえる。また、電波時計では時刻合わせに最短で120秒かかるのに対して、GPS衛星の場合は最短6秒となっている。

 「世界で電波時計が使えるのは、米国、欧州、日本、中国の4エリア。砂漠でも、太平洋のど真ん中、アルプスの山中などあらゆる地域で、正確な時間を表示させることができる。宇宙空間を巻き込んだ、グローバル時代にふさわしい新たな時計になる。これからのデファクトスタンダードに発展させたい」(セイコーホールディングス社長兼セイコーウオッチ社長の服部真二氏)とした。

セイコーホールディングス社長兼セイコーウオッチ社長の服部真二氏(右)と、セイコーエプソンの碓井稔社長(左)

 また、GPSモジュールは一般的に多くの電力を消費するが、セイコーエプソンが持つRF部分/信号処理プロセスの簡素化/ロジックのシンプル化などの省エネ技術を利用することで、感度を維持しながら、従来に比べて5分の1にまで消費電力を低減。太陽光や蛍光灯などの光を電気エネルギーに変換して駆動するソーラー方式を採用していることから、定期的な電池交換は不要となっている。

 「世界中どこにいても現在時刻を取得し、止まる心配がなく使え、オン/オフのシーンを選ばずに日常的に使える」(セイコーウオッチ商品企画本部・加藤幸則副本部長)と、その特徴を訴えた。

セイコーウオッチ商品企画本部・加藤幸則副本部長

 セイコーは、1969年に世界に先駆けて発売したクオーツウオッチ「クオーツアストロン」において、腕時計の世界に革新的ともいえるクオーツ技術を搭載(関連リンク)。誰もが正確な時間を手にすることができる社会を実現した。

 セイコーホールディングス社長兼セイコーウオッチ社長の服部真二氏は、「セイコーが創業以来追求してきたのは、正確であること、止まらないこと、美しいことの3点。誤差±0.2秒という正確性を実現したクオーツは、従来の時計の100倍以上の正確性を実現でき、いまや98%の腕時計にクオーツが採用されている。時の概念を変えた技術が、時間に正確な日本から生み出されたことは、無関係ではないだろう。クオーツの次にくるものは何か。地球上どこにいても正確にその場所の時間を示せる腕時計である。今回の製品は、クオーツに続く第2の革命であり、その発表の場に立ち会えることにワクワクしている。今後、すべての時計がこの技術を活用するだろう。その意味を込めて、アストロンの名称を付けた」などとした。

 また、セイコーエプソンの碓井稔社長は、「新しいウオッチの時代と、時の文化を切り開いていく。生活に感動を広げることになる」としたほか、「研究開発力、GPS技術、半導体技術、精密加工技術というエプソンのすべての力を結集したもの。当社は、1942年の設立以来、今年70周年を迎える。その節目の年にこうした投入できた。時計のイノベーションの先頭にいるのがセイコーである」と語った。

 これまでセイコーエプソンでは、携帯電話をはじめとする情報機器向けのGPSモジュールを開発。5500万台の出荷実績を持っている。

 今回の製品に搭載したGPSモジュールは、この技術をベースに、5分の1にまで低消費電力化を図っているのが特徴だ。

 「セイコーエプソンでは、省エネルギーの技術、小型化の技術、高精度の技術という、省、小、精(しょう、しょう、せい)という3つの技術がある。こうした独創の技術を極めることにより、価値を実現していく。今回のGPSモジュールは、宇宙レベルの精度を、世界で使ってもらうための新たな技術。スマートフォンにも採用できるが、ここまでの消費電力は必要なく、それでは宝の持ち腐れになる。今後、多くの人に使ってもらえるように普及を目指していくほか、さらに小型化したものを投入していきたいと考えている」とした。なお、同GPSモジュールの外販については、「考えていない」という。

 初年度数万個の販売を計画。「将来的には上下方向にラインナップを広げていく」(セイコーウオッチ商品企画本部・加藤幸則副本部長)とした。

「セイコーアストロン」ラインナップ


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