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「青くてまぶしすぎる世界」から目を守れ!

PC・スマホユーザーの必需品!JINS PCはこうして生まれた

2012年02月28日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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PCユーザー向けのメガネとして、昨年9月の発売以来大きな注目を集めているのが「JINS PC(ジンズピーシー)」だ。眼に負担をかけるブルーライトを大きくカットするこのメガネが登場した背景について、販売元のジェイアイエヌに聞いた。

PC・スマートフォンユーザーの眼は大丈夫か?

 健康診断で視力を測ったら、前回に比べてまた落ちていたという経験はないだろうか? 両眼合わせて裸眼視力0.1にも満たない担当もそんな弱視者の一人である。言い訳でしかないが、なにせIT関連のメディアという仕事は、取材や会議、記事執筆などあらゆる作業で、PCとにらめっこだ。われわれのような仕事でなくとも、ホワイトカラーの会社員であれば、多かれ少なかれPCやスマートフォンなどのモニター・ディスプレイの光に晒されていることになる。これでは眼にいいはずがない。実際、日々の作業で眼に大きな負担がかかる「IT眼症」や、夕方にPCの文字が見えにくくなる「夕方老眼」などの症状もあるという。

 そんな問題意識を持っていた担当が、最近特に気になった商品がJINSのPC・スマートフォンユーザー向けメガネ「JINS PC」である。JINS PCはPCやスマートフォンのモニター・ディスプレイから出るブルーライトを大幅にカットし、眼精疲労を軽減してくれる度なしの機能性メガネだ。

ブルーライトを大幅にカットしてくれるJINS PC

 ブルーライトは人間が識別できる可視光線の中でもっともエネルギーの強い波長で、オゾン層どころか眼球の角膜や水晶体にも吸収されず、網膜に到達するという。ブルーライトはモニター・ディスプレイからも発せられており、最近はLED化が進んでいるため、さらに青色成分の光源が増加しているとのことだ。これを遮断するためにはブルーライトをカットするJINS PCのようなメガネやサングラスを着用するのがもっとも効果的というわけだ。

 もとよりこうした度なしの機能性メガネが開発された背景には、メガネ市場の縮小があるという。2000年代初頭、低価格メガネブームで快進撃を続けてきたジェイアイエヌも、2008年に赤字を経験。これを受け、同社は市場の縮小、自社ブランドの限界、競合との差別化ポイントの欠如といった数々の課題に向き合い、着替えるメガネのナンバーワンになるべく、思い切った価格改定や軽量メガネ「エア・フレーム」の展開を進めてきた。そして、こうした施策の1つが、メガネをかけない人に付加価値を提供する「機能性アイウエア」の投入だ。ゴルフ向け、サイクル向け、花粉症対策、ドライアイ対策など、数ある機能性アイウエアの中で、PC・スマートフォンユーザーに最適な商品として開発されたのが、今回紹介するJINS PCである。

「自然な見え方」と「非メガネユーザー」
JINS PCの2つのチャレンジ

 さて、JINS PCの技術的なチャレンジは、「自然な見え方をキープすること」だったという。ジェイアイエヌ マーケティング室 広報の中島英摩氏は、「メーカーとの共同開発で、ブルーライトをカットする素材をレンズに練り込んでいるんですが、ただ青色だけをカットしすぎると、不自然な見え方になるんです」と説明する。そのため、ブルーライトを抑えつつ、眼が識別しやすい波長の光を際だたせるハイコントラスト技術で、自然な色味を実現している。ブルーライトのカット率「約50%以上」という比率は、違和感を抑えるため、試行錯誤を繰り返した結果の絶妙な黄金比というわけだ。

ジェイアイエヌ マーケティング室 広報 中島英摩氏

 もう1つのチャレンジは、非メガネユーザーに最適化したデザインだという。「もともとJINS PCは、普段メガネをかけない人が、PCの作業時に装着するのを前提に作ったものです。そのため、メガネをかけない人が長時間かけても疲れないよう、試作を繰り返した経緯があります。『かけ心地がない』くらいを目指しました」(中島氏)。

 具体的には、同社の看板商品エア・フレームでも採用されている軽量素材「TR-90」を採用し、メガネフレームの徹底的な軽量化を図った。また、視界の邪魔にならないクリアな鼻パッド(クリングス)を採用し、耳にかける部分も角度を自由に調整できるようにした。「JINSの他の製品も同じなのですが、日本人の標準的な頭の形を研究し、その人頭模型でフレームのカーブやクリングスの形を決めています。JINS PCは、デザインを3D化し、鋳型に液状の樹脂を流し込んで立体成型する製法で、よりデザインに忠実なものに仕上げています」(中島氏)というこだわりようだ。

 こうしてできたJINS PCの試作品を先行導入したのが、ご存じ日本マイクロソフトである。日本マイクロソフトでは数名の方に試用してもらったが、「試作品は『フレームがかわいくない』という機能以前の意見がありました(笑)。こちらとしては普段メガネをかけない方であれば、フレームの存在感を消した透明に近いモノがよいと思っていたんですけど、どうせかけるのであればかわいい方がよいという意見だったんです」(中島氏)という。こうした意見を反映し、前述したクリングスの透明化のほか、全16色という色展開も決めた。

「外したときがやばい!」「世界は青かった」

 こうして2011年9月末にJINS PCはいよいよ発売開始になった。価格も3990円とかなり低くおさえ、レンズとフレームをワンパッケージ化することで、非メガネユーザーが購入を躊躇しないようにしたという。

 すでに発売から4ヶ月が経過しているが、JINS PCは大ヒット商品に成長している。「店舗ではメガネやサングラスを全部で1500種類くらい扱っているのですが、ダントツです。普通のメガネを越すくらい売れています」(中島氏)という。全体では黒やダークブラウンが売れているが、女性には赤系が人気とのことだ。1月にはクリニックを中心とした法人向けの販売も始めており、いっそう幅広い層にアピールしそうだ。

実際に装着してみると、その軽さに驚く。レンズの特性上、やや黄色がかったサングラスのような感じだ

 ユーザーの反応については、Twitterやブログなどでさまざまな声が挙がっているが、効果を実感したという声より、「外したときがやばい!」「世界は青かった」「こんなにまぶしかったんだ!」など、日常的にまぶしい環境にいることを実感する意見が多かったという。効能を実感し、オフィス以外でもつけているユーザーも多いらしく、まさに新しい市場を開拓する戦略商品になっているようだ。

 当然、次は度入りのJINS PCも期待されるところだが、既存のJINS PCのレンズのようにイチから度入りレンズを開発しなければならず、「実はそんなに簡単ではないんです」(中島氏)という。度入りにすると、レンズの厚みも出てしまうため、ブルーライトカットの性能を検証するのも課題。とはいえ、要望も多いとのことで、早いうちに商品化したいと前向きだ。

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