コア単位ライセンスでプライベートクラウド構築をサポート
Symantec Veritas Storage Foundation 製品群 6.0正式発表
2011年12月16日 09時00分更新
12月15日、シマンテックはストレージ管理/高可用性製品である「Veritas Storage Foundation 製品群 6.0」の国内販売を12月20日から開始すると発表した。5年ぶりのメジャーバージョンアップとなり、プライベートクラウドへの移行支援が重要なテーマとして打ち出された。
既存のストレージ資産を活かす
Veritas Storage Foudation 製品群 6.0は、12種類のソフトウェアで構成されるスイート製品で、「Veritas Storage Foundation 6.0」「Veritas Cluster Server 6.0」「Veritas Operations Manager 4.1」「Veritas Cluster File System 6.0」「Veritas Dynamic Multi-Pathing 6.0」「Veritas Replicator 6.0」「Symantec ApplicationHA 6.0」「Symantec VirtualStore 6.0」「Veritas Storage Foundation 6.0 for Windows」「Veritas Cluster Server 6.0 for Windows」「Veritas Storage Foundation 6.0 for Oracle RAC」「Veritas Storage Foundation 6.0 for Sybese ASE CE」の総称となる。
旧ベリタス時代にはSAN環境の統合管理ソフトウェアとして高く評価されていたが、新バージョンでは「ファイルシステムレイヤでの重複排除/圧縮機能」や「バーチャル・ビジネス・サービス」「仮想化環境での可用性向上」など、より上位のレイヤでの機能強化を行ない、既存のストレージ資産を活かしつつ競争力のあるプライベートクラウドを構築することを狙う。主な新機能については数ヶ月前から段階的に公表されており、いわば「ようやく正式リリース」となった感がある。今回の発表では新機能を一覧的に紹介するのではなく、ポイントを絞った上で実証結果が紹介された点が目新しい。また、新たなライセンス体系としてコア単位の課金が導入された点も仮想化環境やクラウドを強く意識した結果と言えそうだ。
シマンテックのシステムエンジニアリング本部 ストレージ&クラスタ製品担当 技術部長の星野 隆義氏は「圧縮・重複排除によるストレージ削減」と「クラスタ新機能による復旧時間の削減」の2つの検証結果を紹介した。まず、圧縮・重複排除では、仮想OS環境を想定し、5種類のOS環境を各40台ずつ、計200台分の仮想マシンを格納したファイルサーバを圧縮/重複排除することで約2TBのストレージ使用量が100GBに削減され、95%の容量削減が実現したという。Storage Foundation 6.0の圧縮/重複排除はファイルシステム上で行なわれるため、一般的なバックアップデータを対象に行なう場合とは異なり、データが生成された直後から対象とできるなどのメリットがある。将来的には圧縮/重複排除されたデータをそのままの形でバックアップするなど、同社のもう1つの基幹製品であるバックアップソフトウェアとの連携強化も計画されているという。
また、クラスタの高速化については、Webアプリケーションのプロセス停止から待機系での再稼働までの時間が従来の手法で3分2秒だったのが新機能を活用することで46秒に短縮されたという。これは、まず稼働系のアプリケーションの死活監視の手法が従来の一定間隔でのポーリングからOSとの連携によるリアルタイム監視に変わったことで障害発生を検出するまでの時間が短縮されたことと、Windows環境でも共有ストレージを稼働系/待機系両ノードが常時アクセスできるようになったことでノード切り替えに要する時間が短縮されたことによる相乗効果だという。これらの新機能によって、Storage Foundation 製品群 6.0では、増大し続けるデータ量に効果的に対処でき、高い可用性を維持できる。
コア単位のライセンスを導入
また、従来のライセンス体系はサーバー単位だったため、仮に仮想化環境で利用する場合にもサーバ全体に対するライセンス購入が必要だったが、新バージョンではコア単位のライセンスが導入されたことで、仮想サーバー上でStorage Foundation 製品群 6.0を稼働させる場合には、その仮想サーバーに割り当てられたコア数に応じた支払で済むようになる。
なお、ライセンスのカウントにはコアの性能指数とコア数に基づく“SPVU”(Symantec Processor Value Unit)が用いられる。処理能力の高いコアは、古いプロセッサーのコアよりもライセンスが高くなる、という体系であり、コア数単位というよりはむしろ実質的な処理能力に応じたライセンスと考えてよいだろう。ライセンスの算定には専用のツールが用意され、プロセッサーの種類と割り当てる予定のコア数を指定すれば支払額が算出される。