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デジタルサイネージの先進事例とこれからの可能性

2011年09月28日 11時00分更新

文●高橋 仁/クロスコ

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 デジタルサイネージは、フラットパネルディスプレイの大型・低価格化とインターネット回線の普及に伴い、新しいメディアとして登場しました。設置されただけで話題となった黎明期は過ぎ、現在では広告・販促効果や費用対効果(ROI)が問われるようになっており、新たなビジネスモデルも追求されています。

 時間と場所に合わせて情報が出せるサイネージの特徴を生かし、空間と視聴者によりマッチした仕組みにしよう、というのが基本的な考え方です。

アメリカと日本におけるサイネージの活用事例

 アメリカ大手小売店のウォルマートは、2006年に天井から高い位置にモニターを吊り下げた「ウォルマートTV」を展開して話題になりました。その後、広告視聴率が伸び悩んだことから最適な店舗やアプリケーションの設定などを研究して、新たに「スマート・ネットワーク」を開発しました。店舗の入り口付近には大型で音声無しの「ウェルカム・スクリーン」、売り場には音声付きの「カテゴリー・スクリーン」、棚エンドには個別の商品説明をする「エンドキャップ・スクリーン」と、ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)の考え方に則って展開しています。運営会社が、メディアの維持と広告を管理するという、新たなビジネススキームも特徴です。

 日本のデジタルサイネージのビジネスでは、通行量の絶対数が多い交通広告の分野が注目されています。電車内の液晶モニター広告や駅構内の電子ポスターが媒体として認知されてきているほか、駅構内の自動販売機の商品サンプル部分をサイネージ化したものなどもあります。

 多くの人が利用するコンビニエンスストアでの展開も本格化しています。店舗の外に向けた大型モニターで情報を発信して集客したり、店内では商品キャンペーンを告知したり、コンビニの物販以外のサービスを案内するメディアも設置されるようになっています。

デジタルサイネージの可能性

 最近では、デジタルサイネージのシステムを発展させ、マーケティング効果を上げる取り組みも始まっています。具体的には、人の性別、年齢、表情、ジェスチャー、店内での行動を認識し、ターゲットに合わせたコンテンツを出し分ける技術を使い、どの時間帯にどのようなプロフィールの人が何人視聴したのか、効果測定も可能になりました。

 デジタルサイネージは、ネットワークに繋がった「特定のサイトを表示しているブラウザー」とも考えられます。今後はTwitterなどとも連動し、店舗などの場所と人とをつなぐコミュニケーションメディアとしての新しい使われ方や、Webやモバイルとの融合も進んでいくことが予想されます。

著者:クロスコ

クロスコは、映像技術とコミュニケーション支援のサービスドメインを持ち、Webサイト、動画・映像などを組み合わせたクロスメディアプロモー ションを、ワンストップで実現してきました。アナログ停波後のデジタルメディアの多様化、ソーシャルメディアのコミュニケーションにも先立って対応 し、あらゆるタイプのマルチデバイス、マルチスクリーンのコンテンツの制作・開発・サービス提供を行なっています。こうした先進のノウハウにより企業の皆様にこれから必用とされる新しいコミュニケーションの形を、戦略からご提案・提供してまいります。

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