セキュリティ系ツールを使って
眠っているUSBメモリーを徹底活用する
昨今のストレージは大容量化が進み、扱うデータも巨大になっている。そのため、昔の1GB前後のUSBメモリーは使い勝手が悪くなってしまい、自宅に放置というユーザーが多いのではないだろうか。そんなUSBメモリーでもソフトを使って、容量ではなく、USBメモリー自体に利便性を見いだすこともできる。
代表的なのは、USBメモリーをPC操作の鍵として使えるようにするユーザー認証ソフトソフトだ。USBメモリーを差しているときだけPCの操作を許可し、抜くとロックできるので、重要な作業中に離席した間のトラブルを防止できる。
また、前回紹介したようにUSBメモリーでソフトを持ち運ぶ際には、注意したいのがセキュリティー面だ。基本的に、漫画喫茶やネットカフェのPCにはウイルス対策ソフトがインストールされているので比較的安心ではある。しかし、万全を期してスパイウェア対策も実施しておきたい場合は、USBメモリーにインストールできるスパイウェア対策ソフトがある。USBメモリーにインストールしたブラウザーでWebブラウジングをしている最中にスパイウェアに遭遇しても、きちんと防御してくれるのだ。
バックアップ先としてもUSBメモリーは優秀だ。HDDのような機械仕掛けの装置とは違い、フラッシュメモリーでデータを読み書きする仕組みなので衝撃に強い。気軽に持ち運べる大きさなので、メインPCの必要データを常時バックアップしておけば、不意にデータが必要になったときに安心できる。
今回はこうしたセキュリティーソフト、バックアップソフトを紹介する。自宅で使わなくなったUSBメモリーでも、これらのソフトを使えばまだまだ活躍してくれるだろう。
USBメモリーがパソコンの鍵に変身!
USBロックツール「USB TOOLS」
USB TOOLS
作者:なっちゃん
USBメモリーをPCの“鍵”として使えるようにするタスクトレイ常駐型ソフト。差し込んでいるときだけPCを操作可能にし、抜くとロックをかけられる。USBストレージであればフラッシュメモリーやHDDのほか、iPodなども鍵として利用可能だ。他のUSB機器の接続を制限する機能もある。
利用するには「USB TOOLS」のZipファイルをダウンロードし、任意の場所に展開する。次に「utools.exe」を起動して下記のように設定を行なっていく。なお、本ソフトを動作させるにはVisualBasic6.0(SP3以上)が必要。作者のホームページで必要ランタイムをまとめた「なっちゃんずらんたいむ」が配布されているので事前にインストールしておこう。
以上で基本設定は完了だ。なお、Windows Vista以降ではUACが働く関係で、正常に動作させるためには「utools.exe」のプロパティ画面で「互換性」タブを開き、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れておく必要がある。
この設定を施しても起動時にUSB TOOLSを実行する設定にしている場合は、保留状態になるので手動で実行を許可することを忘れないようにしたい。
さて、こうして設定を終えた状態でPCからUSBメモリーを抜き取ると、下の画面のようにデスクトップが暗くなり「PC LOCKED!!」というメッセージが表示される。
ここで気になるのは、鍵として設定したUSBメモリーをなくしてしまった場合だ。本ソフトではスペアキーを作成する機能があるので、心配なら作成しておくこと。また、万一両方のUSBメモリーをなくしても、USB TOOLSでは起動直後に設定した暗証コードで強制解除する機能を備えているので安心だ。
方法はまずロック画面で「Ctrl+Alt+Delete」キーを押し、表示された画面で「キャンセル」を選択する。ロック画面に戻るので、「ESC」キーを押すと強制解除のためのダイアログ画面が現れる。あとは暗証コードを入力して「実行」ボタンをクリックすればPCの操作が可能になる。
ただし、注意点がひとつ。本ソフトではUSBキーの有無を確かめる監視間隔の時間を設定できるのだが、オプション画面で監視を常時、もしくは極端に短くしている場合は上記の方法が使えない。ロック画面に戻ってから「ESC」キーをクリックするまでには、監視間隔の時間内に行なう必要があるからだ。
その場合は、ロック画面で「Ctrl+Alt+Delete」キーを押した後に、「キャンセル」ではなく「シャットダウン」を選ぶ。次に「ESC」キーを押しながら起動させると、上記と同様に強制解除のためのダイアログ画面が表示される。
