NTTドコモがスマートフォン/携帯電話の夏モデルの発表会を開催した。ここでは記者会見の模様をお伝えする。
4月末までに被災地エリアはほぼ復旧
最初に登壇した同社代表取締役社長の山田隆持氏は、東日本大震災で被災した方々へのお見舞いを述べ、通信設備の復旧状態について説明。福島原発30kmエリア以外は94%、30kmエリア内も75%が復旧済みで「4月末までにサービスエリアをほぼ復旧」したと言う。
山田氏は「安心安全を提供することが最大の責務」とし、新たな災害対策についても発表した。
まず、非常用の基地局として、通常の基地局より広範囲のエリアをサポートする「大ゾーン基地局」を全国100ヵ所に設置。都道府県ごとにおおむね2局(東京は5局、大阪は4局)を設置することで、全人口の約35%をカバーする。
また、県庁や役場など各都道府県の重要な施設の通信を確保するため、全国約1900ヵ所の基地局の無停電化(発電設備の設置)やバッテリーの24時間化を推進する。これにより、全人口の約65%をカバーできるという。
さらに、非常時に通信規制で通話ができない場合、端末で録音した音声メッセージをファイルとして送信する「災害時音声ファイル型メッセージサービス」を開発。スマートフォン向けに2011年度内に提供を開始する予定だ。
そのほか、被災エリアに対して、衛星携帯電話(3000台)を即時に提供することや、衛星システムによるエリアの早期復旧など、2011年度で235億円を災害対策費に充てる。
なお、東日本震災の影響については、「4機種程度の出荷が2週間ほど遅くなったが、大きな影響は出ない」としながらも、「部品については4~7月まで枯渇する可能性がある」と語り、新製品が品不足になる可能性も示唆した。
「iチャネル」や「エリアメール」をスマホで提供
これまでフィーチャーフォンでのみ提供されていたサービスで、新たにスマートフォン向けにも提供されるサービスも発表された。まず、災害に関する緊急速報を提供する「エリアメール」の対応を、ソフトウェアダウンロードという形で提供する。既存機種についても、一部を除いて利用可能になると言う。
なお、エリアメールの同報配信は「CBS(Cell Broadcast Service)」という方式が用いられているが、データ通信サービスの「Xi(クロッシィ)」では、今冬モデルから「ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)」という新方式を採用する予定で、CBS方式よりもさらに数秒速く緊急速報を受信できるようになる。
また、ニュースなどの見出し情報を提供する「iチャネル」や、呼び出し音を音楽にできる「メロディコール」、テレビ番組表の「Gガイド番組表」をスマートフォン向けに提供開始するほか、「iモード」の課金や認証をスマートフォンからも利用できる仕組みを冬モデルから導入する。加えて「iコンシェル」「マイメニュー」といった、個々のユーザーニーズに合わせた情報を提供するサービスも、冬モデルから投入予定だ。
スマートフォンに特化した新機能(アプリ)として、ホーム画面アプリの「docomo Pallete UI」を一部の夏モデルで導入する。インストールしたアプリが自動でカテゴライズされるのが特徴だ。
また、ホームネットワークに関する機能を「docomo Connected Home」とし、その一環としてDLNAクライアント&サーバーアプリ「Twonky Mobile Special」を提供する。なお、docomo Pallete UIは新機種のみだが、Twonky Mobile Specialは既存機種(Android 2.1以上)も対応。5月17日より無償でダウンロード提供を行なう。
渡辺謙さん「GALAXY S IIはすごいな」
発表会には、CMキャラクターの渡辺謙さんと堀北真希さんが登場。被災地を訪問した渡辺さんは、サインを書く際に「ドコモのパンフレットを持ってくる人が多かった」とのこと。避難所などでドコモがブースを設置しており、そこにパンフレットが置かれていたためだ。
また、司会者に新機種「GALAXY S II」の感想を訊ねられた(GALAXY Sユーザーの)渡辺さんは、「(ドコモのCMではスマートフォンという役回りなので)僕は使われる側なので……」と冗談を言いつつも「(GALAXY S IIは)薄いんですよ……そそられましたね」「ワンセグついたんですね! これはすごいな」と興味津々だった。
一方、堀北さんはスマートフォンについて「ゲームをダウンロードして遊んだり、お料理のレシピなんかを見たりしています」と、日ごろから活用している様子を話した。 」
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