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プロの犯行指導|新人ボーカロイドを歌わせる4ステップ!

2009年12月15日 16時00分更新

文● 丹治まさみ(キャプミラP)

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Step#4 リバーブやディレイで仕上げを完了!

 最後に、実際にオケの中で聴きながらボーカルトラックに丁寧にボリュームを書き込んでいく。最初にコンプレッサーをかけた段階で失われたダイナミクスを取り戻すのと、曲全体を通して大きな抑揚をつけるのが目的だ。

ボーカルトラックにボリュームを書いた。基本的には子音を強く、母音を弱くし、その上で全体の大きな抑揚をつけている

 また、子音と母音が平らに発音されている状態だと、オケの中で目立たせようとした場合にどうしても音圧が上がりすぎ、耳に痛いピーク部分が目立ってしまう。子音を強く、母音を自然に発音するように音量を書いてあげれば、オケの中で自然に目立ってくるトラックになるわけだ。このトラックに軽くコンプレッサーをかけてやる。そうすることで、ボリュームが大きくなった部分で自然にコンプレッションがかかるようになるのだ。

ボリュームを書いて抑揚をつけてあげた音声

 以上でボーカルトラックに対する主な作業は終了だ。後はオケとのバランスを見ながらEQで音質を調整し、リバーブやディレイなどで空間を作ってあげれば完成である。今回はホール系のリバーブをちょっと強めにかけて空間を強調してみた。また、薄めに左右でタイムを変えたディレイをかけることで、更なる広がりを加えている。

リバーブの設定画面。といってもプリセットをそのまま使っているが……これはTC Electronic社が配布しているM30 Studio Reverb。ぜひともゲットすべき

ディレイの設定画面。左右のディレイタイムを別々に設定しステレオ感を出す。このとき、ディレイタイムを楽曲のテンポに合わせると馴染みやすい。使用しているのはフリーVSTのInterruptor Bionic Delay

エフェクト処理を施して空間を出した音声

 ボーカルを含め全ての素材が揃ったら、各トラックにエフェクト処理などを施してミックス作業を行なう。この工程を詳しく解説していくとそれだけで記事が一本書けてしまいそうなので割愛するが、ミックスは本当に奥が深い。僕もこれからますます精進して行きたいと思っている。

 ミックスが終わったら公開用に音量レベルを適度に持ち上げて完成だ。もちろん動画として発表することを考えると、動画制作という大変な作業もしなくてはいけないのだが……。

完成した「ASCII.jp」のジングル!

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