※この記事は、「徹底解剖! 成功ネットショップの現場ノウハウ」の第21回です。過去の記事もご覧ください。
ネットショップにおいて何を売るのか――商材選びは成否の鍵を握る重要な要素です。「リピート率が高い」「希少価値がある」など、ネットに適した商材かどうかを吟味するのはもちろん、他店との違い・オリジナリティをどのように顧客へ訴えていくか考えることも大きなポイントになります。
『枕ぐっすりショップ』『枕と眠りのおやすみショップ』など、10サイトものネットショップを運営する河元智行さんが着目したのは、「枕」。一見、誰もが使うありふれた商品ですが、それでも参入の余地があると感じたのはなぜでしょうか。
「枕は自分で選ぶもの!」を原点にショップ開業
河元さんが「枕」という商材に着目したのは、自身の体験がきっかけでした。
「数万円もする高額な枕を購入したところ、全然、寝心地がよくない。長年、何の気なしに使っていた数千円の安い枕の方がよほど自分に合っていたんです。必ずしも高いからいいとは言えない、店員が絶賛する枕が自分に合うとは限らないと強く感じました」
近頃では、実際に頭部や寝姿勢を計測して、一人一人に最適な枕を作ってくれるデパートや専門店も増えてきましたが、河元さんはこれに異を唱えます。
「普段使っているベッドや布団によっても寝心地のいい枕は違ってくるし、人によっても『これが合う!』という感じ方もまったく違うはず。いい枕に出会うには、他人に選んでもらうのではなく、自分で選ぶ姿勢が必要だと思ったんです」
「枕は自分で選ぶもの」という自身の経験と実感こそが、河元さんが枕を販売してみたいと思った強い動機になったのです。この視点から河元さんは、1.枕に関する豊富な情報を提供すること、2.返品制度を設け、期間内ならいつでも返品・交換できるようにすること、3.枕に関する品揃えはどこにも負けないようにすること――をコンセプトに、「枕専門」のネットショップを開くことにしたのです。
■今回の成功ネットショップ:
『枕と眠りのおやすみショップ!』『抱き枕.com』
2002年「枕の総合情報サイト ぴろコレ」という個人サイトを立ち上げ。翌年6月『まくらぐっすりショップ』でネットショップ開業。その後、ヤフー店、楽天店を立ち上げ、2005年3月には『抱き枕.com』『低反発.com』を新たにオープン。 2008年度の前期の売り上げは1億7000万円に達している。