起動時間やシャットダウン、スリープ、休止時間の比較
Windows 7では休止にかかる時間が大幅に短縮
次に、OSの起動時間やシャットダウン時間などを計測してみた。計測方法はストップウォッチによる手動計測で、5回計測してその平均値を採用した。
まずOSの起動時間だが、電源オフの状態からWindowsのデスクトップ画面が表示されるまでの時間は、Windows 7が55秒、Vistaが45.7秒、XPが45.3秒であった。起動時間については、Windows 7で短縮されているというわけではないようだ。
OSのシャットダウン時間は、Windows 7が8.7秒、Vistaが11.4秒、XPが12.4秒であり、Windows 7がかなり早い。新しいOSほど、シャットダウン時間が短くなっているというのもなかなか面白い結果だ。
スリープ(メモリーサスペンド)時間は、Windows 7が3.6秒、Vistaが3.3秒、XPが3秒で、Windows 7が一番長い。ただし、その差は0.6秒程度であり、体感的にはそれほど変わらない。一方でスリープからの復帰時間は、Windows 7が6.6秒、VistaとXPが8秒で、1.4秒ほどWindows 7では短縮されている。
さらに大きな差が出たのは、休止に要する時間(HDDサスペンド)だ。Windows 7では9.4秒で休止状態に移行して電源が落ちたのに対し、Vistaではその2倍近い17.4秒もかかった。XPはさすがにVistaよりは速い10.4秒で休止状態に移行したが、それでもWindows 7には及ばない。また休止状態からの復帰時間も、Windows 7は27.4秒だったのに対し、Vistaでは29.9秒、XPでは32秒と、Windows 7が一番短い。
Windows 7では、休止状態への移行が大幅に短縮されたほか、スリープ/休止状態からの復帰時間も短縮されており、ノートパソコンなどでスリープや休止を利用する場合の利便性が向上したと言えるだろう。
アプリケーション起動時間やファイルコピー時間の比較
Windows 7ではExcelがすぐ起動。ファイルコピーも高速化
続いては、アプリケーションの起動時間とファイルコピー時間を比べてみた。アプリケーションとしては、Excel 2007を使用し、先ほどと同じように5回(連続ではなく毎回システムを再起動してから実行)計測し、その平均値を採用した。
グラフを見てのとおり、アプリケーションの起動時間はWindows 7が驚異的に早い。Vistaは4.2秒、XPでは4.7秒かかっているのに対し、Windows 7ではわずか1.2秒で起動する。感覚的にはほぼ瞬間であり、高速なSSDを使っているかのような錯覚を覚えるほどだ。すべてのアプリケーションの起動時間がここまで短縮されるとは限らないが、少なくともマイクロソフトのOfficeアプリケーションの起動時間は、Windows 7で大きく短縮されたようだ。
ファイルコピー時間の計測では、Dドライブ側(1TBのWDF10EADS)にある多くのファイルとフォルダーが含まれるメールフォルダー(合計1GB、ファイル数2458、フォルダ数1279)を、Cドライブにコピーするのにかかった時間を計った。結果はWindows 7が46秒、Vistaが51秒、XPが56秒であり、こちらもWindows 7が最も短い。Windows 7ではチューニングにより、ファイルシステム周りのパフォーマンスが向上しているようだ。
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