Sandra 2009、CrystalMark 2004R3、CrystalDiskMarkの結果比較
今度は、ベンチマークテストプログラムを利用して、より細かなパフォーマンス比較をしてみよう。まずは、環境設定/ベンチマークツール「Sandra 2009 SP3」から、「Processor Arithmetic」と「File Systems」を計測する。
Processor Arithmeticとは、CPUの基本的な演算性能を計測するテストで、File Systemsはファイルシステム(HDD)の性能を計測するテストだ。グラフに示したとおり、Prosessor Arithmeticはほぼ同じ。File Sysytemsは、Windows 7とXPがVistaに比べてわずかに速いという結果になったが、これらはパーツの基本的な性能を計測するベンチであり、OSによる差は出にくい。
同様に、総合性能を計測する「CrystalMark 2004R3」(ひよひよ氏作)でも計測してみた。こちらの総合結果はXP>Windows 7>Vistaという順になった。ただし、差はそれほど大きくない。HDD性能を計測する「CrystalDiskMark 2.2」のスコアも、XP>Windows 7>Vistaの順となった。Windows 7では、Vistaで不満が多かったディスクパフォーマンスがしっかり改善されているようだ。
PCMark05、PCMark Vantageの結果比較
PCMark Vantageの総合スコアは13%も向上
次に、Futuremarkの総合ベンチマーク「PCMark05」の結果を比べてみたい。PCMark05の総合スコアは、Windows 7が6501なのに対し、Vistaは6832、XPでは6029となっている。
個別に見ていくと、CPUとMemoryは、Windows 7のほうがVistaよりも数値が高いが、GraphicsとHDDは逆の結果となっている。ただし、PCMark05はXP時代に登場したやや古めのベンチマークであり、Vistaでも動作はするが、Vista以降のOSの性能を比較するには、あまり適していないとも考えられる。
そこで、最新のPCMark Vantageの結果も見てみる。PCMark VantageはVista以降のOSに対応しており、XPでは動作しない。Windows 7とVistaの一騎打ちになるが、総合スコアのPCMarkは、Windows 7が4221であるのに対し、Vistaでは3711と、Windows 7のほうが13%以上も高いスコアとなっている。
PCMark Vantageは、ベンチマーク計測の指針もパーツごとの純粋な性能計測から用途ごとの総合的な性能計測へと変更されており、WordやPhotoshopなど、ユーザーが実際に利用するアプリケーションを用いて、それぞれの利用シーンにおける性能を計測する。利用シーンごとに見ていくと、TV and Movies、Gaming、Productivity、HDDの4項目ではVistaのほうがスコアが高いが、MemoriesとMusic、Communicationsの3項目ではWindows 7のほうがスコアが高くなっている。
ただし、Vistaのほうがスコアが高い項目のほとんどは僅差なのに対し、MemoriesとMusicは、Windows 7のスコアが大きく上回っており、結果として総合スコアでもWindows 7が上回ったようだ。最新ベンチマークテストであるPCMark VantageでWindows 7がVistaよりも高いスコアを出したということは、Windows 7の高速性がはっきりと示されたといえるだろう。
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