クアッドコア時代到来!――インテル、クアッドコアCPU“クアッドコアXeon 5300番台”と『Core 2 Extreme QX6700』を発表!
2006年11月15日 17時32分更新
“クアッドコア インテル Xeonプロセッサー 5300番台”シリーズ | 『インテル Core 2 Extremeプロセッサー QX6700』 |
インテル(株)は15日、デュアルプロセッサー(DP)サーバー向けのクアッドコアCPU“クアッドコア インテル Xeonプロセッサー 5300番台”シリーズ(コード名Clovertown)と、ハイエンドデスクトップ向けクアッドコアCPU『インテル Core 2 Extremeプロセッサー QX6700』(コード名Kentsfield)を発表した。Core 2 Duoシリーズと同じ“Coreマイクロアーキテクチャー”を採用したCPUで、パッケージ内に4個のCPUコアを備える。
発表されたCPUは、Xeon 5300番台が4製品と、Core 2 Extremeが1製品の計5製品。いずれも本日より量産出荷が開始される。Core 2 Extreme QX6700については、秋葉原のパーツショップ等で、すでに14日から店頭販売が開始されている。
- インテル Core 2 Extremeプロセッサー QX6700
- 2.66GHz、8MB 2次キャッシュ、1066MHz FSB、TDP 130W:12万60円
- クアッドコア インテル Xeonプロセッサー X5355
- 2.66GHz、8MB 2次キャッシュ、1333MHz FSB、TDP 120W:14万850円
- クアッドコア インテル Xeonプロセッサー E5345
- 2.33GHz、8MB 2次キャッシュ、1333MHz FSB、TDP 80W:10万2270円
- クアッドコア インテル Xeonプロセッサー E5320
- 1.86GHz、8MB 2次キャッシュ、1066MHz FSB、TDP 80W:8万2920円
- クアッドコア インテル Xeonプロセッサー E5310
- 1.60GHz、8MB 2次キャッシュ、1066MHz FSB、TDP 80W:5万4680円
発表されたクアッドコアCPUはいずれも、既存のデュアルコアCPU“Core 2 Duo”やDPサーバー向け“デュアルコア Xeon 5100番台”と同じCoreマイクロアーキテクチャーを採用。デュアルコアCPUのダイ(半導体本体)を2枚、ひとつのCPUパッケージに収めてクアッドコアCPUを実現している。それぞれのダイが2つのCPUコアと、コア同士で共有された4MBの2次キャッシュメモリーを備えるため、2つのダイで4コア、8MBキャッシュとなる。製造プロセスはCore 2 Duoと同じ65nmプロセス。パッケージ形状やソケット形状は、既存のデスクトップ向けCore 2 Duo/Extreme、デュアルコアXeon 5100番台とそれぞれ同じである。公式の対応チップセットは、QX6700がIntel 975X Expressチップセット、Xeon 5300番台はIntel 5000P/V/Xチップセットとなっている。
同日開かれた製品発表会では、同社代表取締役共同社長の吉田和正氏が登壇。2006年を“インテルにとって意味ある年”だったと振り返った。実際1月に登場したCore Duoプロセッサーを皮切りに、インテルCPU搭載Macの登場、Core 2 Duo/Xeon 5100番台の発売、ViivやvProなど新しいプラットフォームの登場、そしてパソコン用では初となるクアッドコアCPUの発売など、新製品/新プラットフォームを怒濤のように投入し続けた、かつてない1年だったと言える。
2006年に登場したインテルのプロセッサーとプラットフォーム。例年にない製品ラッシュだったことが分かる | 右手にXeon 5300番台、左手にCore 2 Extreme QX6700を掲げるインテルマーケティング本部長の阿部剛士氏 |
また同社マーケティング本部長の阿部剛士氏はプロセッサーの出荷数について述べ、65nmプロセスで製造されたCPUを4600万個出荷し、そのうち600万個がデュアルコアCPUであったとした。そして今後3四半期で、クアッドコアCPUを最低でも100万個出荷したいとの抱負を述べた。特にDPサーバー市場については、2007年第2四半期時点で台数の40%をXeon 5300番台で占めるべく、積極的に拡販を進めるという。
性能面については、2004年に登場したシングルコアのDPサーバー向けXeon 3.60GHzと比較すると、Xeon X5355は性能で4.5倍、消費電力あたりの性能では4倍にも向上したとしている。デュアルコアCPUと比べた性能デモも披露され、ザイオソフト(株)の医療機関向けワークステーションを使った、超高解像度の人体内画像の生成にかかる時間の速さ比較や、ビデオエンコードと1080iのHD映像の再生を同時に行なう比較などによって、デュアルコアCPU以上の性能を示した。
同日には搭載する製品も各社から発表され、発表会場にも多数のデスクトップパソコンやサーバー製品が展示されていた。とはいえ、Core 2 Extremeはあくまでハイエンドゲーマーなどエンスージアスト向けの製品であり、デスクトップ向けクアッドコアCPUの本命は、2007年早々に発表予定の“Core 2 Quadプロセッサー”であろう。なお各社の搭載製品については、個々の記事を参照のこと。またQX6700のパフォーマンスについては、“最新パーツ性能チェック”の記事を参照していただきたい。