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【WWDC 2006 Vol.1】目玉のひとつは64bit CPU搭載機か!? 米国会場から事前レポート(前編)

2006年08月07日 17時27分更新

文● ITジャーナリスト 林 信行

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米国時間8月7日の午前10時(日本時間8日午前2時)に、米アップルコンピュータ社主催の開発者イベント、“WWDC(Worldwide Developers Conference)”が開幕する。会場はサンフランシスコ市にあるモスコーニセンター・ウェストだ。

入り口文字1 入り口文字2
WWDC会場のモスコーニセンター・ウェスト
ロゴ 案内板
入り口に掲げられたアップルロゴ会場の案内板

恒例の開幕イベントとして、スティーブ・ジョブズCEOによる基調講演が行われる。サプライズ発表の好きなジョブズ氏だが、今回の講演では“Leopard(レパード)”の名で知られる次期OSが目玉になると事前に明かされている。

もっとも、基調講演での発表がLeopardだけで終わることはまずないだろう。最近、Mac本体の新製品発表が少なかったこと、一時高騰していた株価が落ちぎみになっていたこと、昨年、大病を患っているジョブズ氏の体調などを考慮しても、このタイミングでしばらく業界全体がアップルに一目を置いてくれるような大きな発表をしておいて、世間を安心させなければならないところでもある。

では、アップル社はLeopardの他に、何を発表するのだろう?


64bit CPUが返り咲きか?

インターネットのMac系情報サイトでは、次期『Power Mac G5』となるインテルCPU搭載機や『Xserve』の後継機、あるいはアップル製携帯電話などのウワサが飛び交っている。

実際、ハードウェア関係で、一番気になるトピックは、Power Mac G5の後継機でどのCPUを搭載するかだ。

アップルは2003年6月に行われたWWDCでPower Mac G5を発表し、64bit CPUの威力を力強く宣伝していた。

その後、同社は64bit CPUのPowerPC G5をiMacにも採用したが、2005年6月のWWDCでインテルCPUへの移行を発表。今年1月に発表されたiMacでは“Intel Core”のCPUを搭載して、再び32bitパソコンに逆戻りしてしまった(その代わりパフォーマンスは上がったが)。

iMacについてはわからないが、Power Mac G5の後継機種(名前は『Mac Pro』になると予想されている)では、インテル製の64bit CPUが採用される可能性が高いだろう。

Power Mac G5 64bit ジョブズ
64bit CPUを搭載するPower Mac G5は2003年のWWDCで登場した

5.8GHz帯へ移行!?

これ以外で少し気になるのが、同じく2003年から採用され続けている『AirMac Express』の変化だ。

アップルは無線LANの分野で、常に他社をリードしてきた。最近、次世代の無線LAN規格“IEEE 802.11n”で規格が固まりつつあり、米デル社など一部のメーカーが暫定仕様のチップを搭載した製品を発売したことからも、アップルが次世代無線LAN規格を採用し始める可能性が高い。

WWDC会場で表示された “5.8GHz”というアクセスポイント

ひとつ気になったのが、本日、WWDC会場のモスコーニセンターWESTに足を運んだところ、AirMacになぜか“5.8GHz”と書かれたアクセスポイントが表示されたということ。

5.8GHzといえば、米国仕様のIEEE 802.11aやWiMaxなどで使われている帯域だ。最近のMacがIEEE 802.11a/b/g対応の無線LANチップを搭載していたことを考えると、電波が混んでいて干渉も多い2.4GHz帯を避けて、5GHz帯への移行を果たすことも考えられる。

どっちにしても、日本時間今夜のWWDC 2006基調講演では、新OS、Leopard以外にもいろいろおもしろい発表がありそうだ。



64bit 黒幕
会場の垂れ幕には“64bi”の文字が基調講演で発表されると思われる製品のパネルは黒い布で覆われている


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