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【アキバ・キーマンインタビュー No.6】人気メイドの“イヌ発電”さんが店長になって、新店「グレースコート」が17日にオープン!

2006年06月15日 23時52分更新

文● 大森徹哉

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新店のシスターカフェ「グレースコート」は基礎をしっかり

――今回の新店、グレースコートはどういうお店になりますか?
【全員】 基礎をしっかりですね。
【店長】 基礎ができていればいいんですよ。
――サービスを徹底させるってことですか?
【オーナー】 そうですね。
【副店長】 ダウンサービスも、やっていたのは最初私たちだけだったんですよ。
【店長】 そうですね。メイド喫茶でやっていたのは、私たちが最初なんですよ。ひざをついてっていうのは。店側から強制されたわけではなく、やった方がいいかなって自然に。
――いつ頃ですか?
【店長】 初期の時代からですね。私たちがやり始めて、それからマネをしてくれる女の子とか、お店とかが増えたんです。わりと元祖なことをやってますよ。
【オーナー】 メイドで有名になる人っていうのは、実はアイドル系でキャピキャピしてて、16、17みたいな感じじゃなくて、基本がしっかりしていて、お客さんの心をつかむのがうまいんです。
【店長】 現に私も顔では全然若い子には勝てないし、タレントさんのようなかわいい子には絶対かなわない。ですから、お客さんに愛情を持って接するっていうのが、私がここまでなんとかやってこれた理由じゃないかなって思います。
――この間撮影したカメラマンさんも、そういう気配りが感じられると言っていましたよ。
【副店長】 店長は腰が低すぎるって、逆に私に怒られるくらいですよ、(笑)。
【オーナー】 店の方が、アキバ系の客にはこれぐらいしてやったら喜ぶだろうみたいな感じなんですよね。
【副店長】 お客さんをばかにしているよね。
【オーナー】 露出のある格好をさせれば、お客さんが喜んで来るだろうっていう、そういうのが伝わりますよね。
――実際、そういうのでお客さんは喜んで来ていますか?
【オーナー】 もうそういう時代は終わったんじゃないですかね。
――最近、メイド喫茶の状況は変わっていますか?
【店長】 変わっていますね。メイドだったら来るだろうっていうお店はつぶれます。
【オーナー】 食事がレトルトだったりとかね。
――今度のお店はレトルトじゃない?
【店長】 手作りに変えます。ソースも。



アキバ系にはやはり甘いものが人気

――やっぱり甘いものって需要が高いんですか?
【店長】 高いですね。アキバ系の人って甘いものが大好きなんですよ。普通の一般男性から比べるとかなり食べますね。
【副店長】 メイド喫茶に入って、男の人ってこんなにパフェ食べるんだって、初めて知ってびっくりした(笑)。
【店長】 飲み物も甘い方が好まれるんですよ。
【副店長】 ガムシロも、ポーションあるじゃないですか。それを10個とか、バーッて入れて混ぜて。本当ですよ。こういう細長いタイプのやつだと5本とか。エスプレッソに砂糖ダダーって入れたり。
【店長】 ココアも甘いのにもかかわらず、砂糖をさらに5本投入っていうお客さんもいます。初めはネタでやってるのかなと思ったんですけれども、本気でした(笑)。リピーターのお客さんも「あ、僕シュガー5本で」って言うので、「はい分かりました」って、5本持って行ってさしあげます。
【オーナー】 お客さんもかわいらしいですよ。そういうのを覚えてもらうとうれしいんすね。「僕は5本だから」って。
【副店長】 それで、5本そえられてたりすると、それだけでお客さん喜んでくださいますよね。女の子もそれを覚えるために頭を使わなきゃいけないし。いつもアイスコーヒーの方に、「今日もアイスコーヒーでよろしいですか?」と言うと、「そうです」とか。「今日は寒いですけれども、ホットの方がよろしいですか?」と言うと喜んでいただけますね。
――それはちゃんと覚えているお客さんに?
【副店長】 もちろん顔とか覚えてるお客さんです。
【店長】 前に来た人にも「お久しぶりです」とか、「先週は~」とか言うと、「先週1回しか来てないのに覚えててくれてるんだ~」って、ますますお客さんにも喜んでいただけます。私たちもちゃんと覚えようという意識があるんで、できるる限り一見さんでも、常連さんでも平等に接客したいと思っています。
――覚えることによってお客さんに喜んでもらえることがうれしいですか?
【店長】 私は、仕事と言ったらおかしいかもしれませんが、自然に頭に入ってきます。ああ、この人、前に来たなって。この人前に何頼んだなって。
【副店長】 でも、お客さんが喜ぶと自分もうれしいし、そうすると働くこと自体が楽しくなってくるんですよ。
【店長】 そうですね。仕事とか言ってますけど、やってるうちに覚えますね。ただドリンクを運ぶだけでなくて、プラスアルファのものが欲しいですね。



オーナー、店長、副店長全員がメイド

――今回、イヌ発電さんにお店をやってもらおうと思った一番の理由は?
【オーナー】 やっぱり私が知っているメイドさんの中で、一番しっかりしているというか、逆にこのメンバーとだったら一緒にやりたいっていうのがあったんですよね。だから他のオープニングメンバーで入る子達も、もう3年ぐらい知っていて、店を辞めた後も仲良かったりとか、みんなでやっぱりなんかやりたいねって。なかなかメイドの給料を貯めて、自分だけで店を出すとかは、無理というか、すごく難しいので。
――元メイドのオーナーに、現メイドの店長、副店長って、そういう店は今までないですよね?
【オーナー】 ないですね。形としては、うちはすごく珍しい、異色ですね。
【副店長】 ここの話があるちょっと前に、私もメイドを辞めて普通の飲食店で働いていて。でも、やっぱりこっちの世界の方が面白いんですよね。お客さんと接するのも、ただ飲み物を運ぶとかじゃなくて、普通の喫茶店とか飲食でも、会話しようと思えばできますけれども、秋葉原並みにちょっとプラスアルファの会話をしようって思っているところはないんですよ。そういうところもおもしろいし。で、戻って来たいな、でもどうしようかなって気持ちもあって。で、「一緒にお店やらない?」って店長に話を持ちかけた時に……。
【店長】 ちょうど電話が来て「ごめん、1回切るねー」って、ブチっと切ったらオーナーからで。お店をやる話がちょうど来て、そこで話がまとまって。それで副店長にすぐ連絡して、「こういう話があるけど、どう?」って。
――すごい偶然ですね。
【店長】 すごい偶然なんですよ。その30分の間に全部が決まってしまったんですよ。
【副店長】 めちゃくちゃ偶然。
――店長と副店長との会話では根拠もなく、ただやりたいねと?
【副店長】 そう、ただ一緒にやりたいねって。彼女とだったら、一緒にやりたいって思ったんですね、他の誰でもなく。彼女より仲のいいメイドさんっていっぱいいるんですけれども、やっぱり一緒に仕事としてやるんだったら、彼女がいいかなって。
――それはなんでですか?
【副店長】 やっぱり秋葉原で一番のメイドだと思いますよ。一緒に仕事をする面では一番だと思います。
【店長】 私も逆に彼女を信頼していて、前の店でもその前の店でも一緒なんです。馬が合うというか、気が合う。
【副店長】 誕生日も一緒なんですよ、2月5日で。お母さんが看護婦っていうのも一緒。犬が好きっていうのも一緒なんですよ。
【店長】 全部一緒なんですよね。彼女が副店長だったらと思って、選びました。
――普通、でも男性スタッフも入りますよね。店長なり、オーナーなりで。
【オーナー】 でもそうなると、後々うまくいかないのが目に見えているんですよ。全く秋葉原を知らない人だけでもだめだし、逆に趣味程度に考えている人でもだめだし、うまくバランスが取れる人じゃないと難しいと思います。
【店長・副店長】 楽しいだけじゃだめですね。
――すごいですよね、それだけみんなからナンバー1だって言われるのは?


【店長】 困っちゃいますね、普通にやっていただけなんですけれども……。
――何がそんなにナンバー1なんですかね?
【副店長】 秋葉原の人に押されている面もあると思います。他の女の子にはないものを持っているなっていうのを感じますね。一緒に働くと分かるんですけれども。
――秋葉原で働いているパーツショップの方からも「メイドならイヌ発電さんがいい」とか言われますよ。僕もイメージとして、いわゆるかわいいイメージを持っていて……(笑)。
【店長】 みなさん初めに名前だけ聞いて、会いに来てくれて、「イヌ発電さんいますか~?」って。「私です」って言うと、「えっ!」て言われるんですよ(笑)。「あっちの子じゃないの? 何でこの人なの、間違ってる?」って。「すいません、私です」って(笑)。
――通ったり、接していると良さが分かったりするんですかね?
【副店長】 見えてきますね。
――なんか分かる気がします。気遣いがあるし、お客さんをいじるのもうまいな~と思いましたよ。
【店長】 短時間の間にお客さんをどれだけ喜ばせるかっていうのが、自分の中で最重要なんですよ。
――それが接客のプロなんですかね?
【店長】 別に意識はしていないですけど、自然に自分の中で出てくるんですよ。空気を読むというか、お客さんのにおいを感じるというか。
――元々サービス業なんですか?
【店長】 元々サービス業です。一番最初はホテルからなんですよ、就職したときは。仲居さんというか。その後に辞めて学校行ったり、別の仕事をしたりして。それで3年前に秋葉原にたどり着いたんですよ(笑)。
――将来、何になりたいとかってありましたか?
【店長】 特になかったです(笑)。接客は向いているので、いずれはそういうお店を持ちたいとは思っていましたね。(次ページへ続く)



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