ドスパラファンなら1度は店頭で見たことのあるおなじみの顔、名物スタッフの甲斐さん。秋葉原本店に10年近く勤務し、現在はマーチャンダイザーとなり、違った目線から店舗を見守っている。そんな甲斐さんが、人気店の裏側を語ってくれた。
インテルとAMD
4月終わりぐらいから売り上げが逆転
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――いつも取材で顔を合わせているので、今日はちょっとやりにくいですね。
【甲斐】 人に軽く当たるというか、人当たりをよくしようと考えているせいか、私、余計なことまでしゃべってしまうときがあるんですよね（笑）。
――そんなことまで言っていいのかなって、こっちが気を遣って書かなかったりすることが、確かにありますね（笑）。
【甲斐】 でも、けっこう（書いても）大丈夫なものですよ（笑）。
――前回の天野さんの記事を見ていただいたとか。
【甲斐】 天野さんデュアルコアでインテルが押され気味だと言われてるみたいですけど、インテルのCPUは、最近また売れてきてますよ。
――そうなんですか？
【甲斐】 4月終わりぐらいからうちでは逆転しています。
――えー！ ドスパラさんAMDがすごいって言ってたじゃないですか？
【甲斐】 そうなんですけど……。Pentium Dの900番台が4月に価格改訂がありまして、あれがものすごく効きましたね。Celeronもかなり下がったんですよ。上のほうだと5000円以上も下がりました。これがどうもSocket 478から、LGA775の移行を誘発したみたいです。
――そんな大きな動きに？
【甲斐】 ええ。私、ゴールデンウィーク用にSocket 478用の安いパーツをいろいろと仕入れて「これなら売れるだろ」と思っていたんですが、それが全部余りまして……かなりショックを受けてるところなんですよ（苦笑）。
――そうだったんですか（ドスパラ秋葉原本店の売れ筋ランキングでは、Socket 478系が常に上位を占めている）。
【甲斐】 LGA775が足りないよと店舗から言われまして、驚いています。これまで見ていても、なんかうまい具合にはまるときがありますね。その瞬間が来ると、一気に形勢が逆転しちゃうんですよね。
――時々そういうのありますよね。一気に売れ筋が変わるときが。
【甲斐】 そうなんですよ。まだ全体的な流れにはなっていないようですが、少なくともドスパラの場合はインテルのCPUがかなりきてますね。
――今年の初めは、「CPUはもう完全にAMDです」とおっしゃってたじゃないですか？（笑）
【甲斐】 そうですね。これがわからないところ。「Pentium D、案外将来的にも侮れないな」という感じになってきています。ただ、AMDのSocket M2のマザーボードとCPUが出て来たので、それでどう変わるか……。
HDDは1万円のラインを割ると
その容量帯が激しく動き出す
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【甲斐】 秋葉原の場合は特殊な市場なので、その動きをインテルさんもAMDさんも相当気にしてると思います。
――そうですよね。インテルさんは頻繁にチェックしてます？
【甲斐】 ええ、金、土、日とチェックしてますね。
――チェックされているのはわかります？
【甲斐】 分かるときもあります。その場でお店に言ってくるときもあります。
――今回のCPUのように、ある時期からガクンと値が下がって急に売れ出した例はありますか？
【甲斐】 そうですね……。去年ですと当然“Athlon 64 X2”ですね。あれは本当に大きかったです。
――そういう時期はわかるものなんですか？
【甲斐】 例えば、インテルのマザーボードでチップセットが“440BX”から“i810”とか“i815”とかに変わる、そういうときはプラットフォーム自体が完全に変わるので、わかりやすい。だけどもう前になりますが、「Athlon XP 2500+」がものすごく売れていた時代は、出た直後は当然それほど売れてなかった。でも、1万5000円とか2万円で「Athlon XP 2500+」が買えるようなバリューラインになってくると、一気に売れました。ほかの商品を駆逐してしまうほどでした。そこに入ってくると動き出すというスイートスポットがあるんですよね。
――なるほど。
【甲斐】 そういう価格のことでいうと、HDDがわかりやすいですね。1万円のラインというのがあって、これを割ってくると、その容量帯が激しく動き出すんですよ。今、250GBがそれに当たるんですけど。300GBもだいぶ下がってきています。
――そんなHDDの動きを見るとおもしろいですか？
【甲斐】 そうですね。でも、結局それを動かしてるのはお客さん自身なんですよ。いくらまでなら払えるよという感覚が絶対あると思います。以前はHDDに関しては2万円だったんです。だけど、今は1万円ですね。(次ページへ続く)
