高い映像品質で定評ある「MTV2000」の機能を強化・拡張し、TVチューナと映像補正回路を2つずつ搭載した高性能TVチューナーカードの登場だ。
ダブルチューナの搭載で
録画時に別番組の視聴が可能に
Wチューナー&W画像補正機能搭載のTVチューナー&エンコーダーカード、カノープスの「MTV3000W」。 |
絶対分かるMTVシリーズの賢い使い方「極楽PC-TV(パソテレ)はハードウェアエンコで行こう!!」レビュー。写真をクリックすると当該レビュー記事に移動します。 | カノープスからTVチューナユニットが登場!「MTU2400/MTV1200HX」レビュー。 |
2つのTVチューナの搭載により、ある番組を録画しつつ別の番組を視聴したり、ふたつの番組を同時に表示できるカノープスの「MTV3000W」。TV番組の視聴・録画を行うソフトウェアは従来どおり「FEATHER G-spec.」だが、ダブルチューナ仕様であることから、「2画面表示」モードが追加された(画面1)。この表示モードは大きなメインスクリーンと縦横2分の1サイズのサブスクリーンからなり、それぞれのスクリーンで機能が異なる(表1参照)。ビデオ入力からの映像表示や録画を実行できるのはメインのみで、サブは基本的にTV番組の視聴だけに対応する。つまりサブで見ているTV番組を録画したい場合は、メインのほうに表示する必要がある。
少々独特だが、実際に使ってみるとそれほどは気にならなかった。
なお、映像を表示するスクリーン機能はひと工夫なされており、画面の特定の場所をクリックすることで画面モードの切り替えなどを実行可能だ。
画面1 TV録画ソフト「FEATHER G-spec.」の2画面モード。右のサブ画面の下のボタンをクリックするとメインとサブのチャンネルが入れ替わる。 |
表 メイン・サブ画面で使用できる機能
メイン画面 | サブ画面 | |
---|---|---|
TV番組の視聴 | ○ | ○ |
ビデオ入力表示 | ○ | × |
録画 | ○ | × |
タイムシフト | ○ | × |
ダブルチューナの搭載で
録画時に別番組の視聴が可能に
MTV3000Wのもう1つの目玉が「W3D」機能である。MTV2000/MTV2200SXで排他使用となっていた3DY/C分離と3Dノイズリダクション(3DNR)をひとつの映像に対して同時に適用できる映像補正のモード。TV番組の視聴時やコンポジットビデオからのビデオ信号入力時に威力を発揮する。
サンプル写真。補正なし。 | サンプル写真。3D Y/C分離を適用。 | サンプル写真。W3Dを適用。 | ||
画面2、3、4 コンポジットビデオからの映像に対して、左から(1)「なし」(2)「3D Y/C分離」(3)「W3D」の補正をかけてみる。W3Dでは「3」の部分が色にじみしている。写真は比較しやすいようにオリジナル画像(128×91ドット)を4倍拡大したもの。 |
実際にコンポジットビデオから入力した映像に対して映像補正を「なし」「3DY/C分離」「W3D」で試してみた。なしの状態では色ノイズが発生しているのに対し、3DY/C分離を適用した状態では色ノイズが完全に消え、美しい状態になった。ところが肝心のW3Dを適用したサンプルでは文字の周辺がにじみがちな結果になった。この結果はサンプルがノイズのない綺麗な状態だったため、ノイズをぼかす3DNRの働きが裏目に出てしまった。すべての状態でW3Dが有効というわけではないが、古いVHSテープを保存する場合などには役立つだろう。
実売は5万円台前半あたり。TVチューナカードとしては高価だが、映像品質重視のコダワリ派には価格を差し引いても魅力的な製品だろう。
なお同社によるとMatrox G400/G450もしくはIntelのチップセット内蔵グラフィック表示機能を使う場合は、2画面表示モードは使用できないとのこと。購入を検討している方は要注意だ。
MTV3000Wの主なスペック | |
製品名 | MTV3000W |
---|---|
接続インターフェイス | PCIバス |
ビデオフォーマット | MPEG-2、MPEG-1、VideoCD |
フレームサイズ/ビットレート :MPEG-2 |
720×480ドット、15~4Mbps 704×480ドット/15~4Mbps 352×480ドット/8~2Mbps 352×240ドット/8~2Mbps |
フレームサイズ/ビットレート :MPEG-1 |
352×240ドット/1.8~1Mbps |
対応OS | Windows 2000/XP |
付属ソフト | FEATHER G-Spec.、CiRAgent、DV-MPEGファイルコンバータ |
ボードサイズ | 183×107mm |