12月20日の登場が予定されながら、South Bridgeのバグにより出荷延期となっていたTyan製のAMD-760MPXチップセット搭載マザーボード「Tiger MPX」(型番:S2466N)がUSER'S SIDE本店に入荷。昨年末ギリギリのタイミングでデビューしたASUSTeK製「A7M266-D」に20日ほど遅れての販売開始となった。
問題のAMD-768 |
ところが、延期を経て登場した今回の製品版でもSouth Bridge“AMD-768”のバグは解消されていない。USB2.0インターフェイスカードを同梱して登場したA7M266-Dと同じように、Tiger MPXは当初の予定に反して4ポート用意するUSB1.1カードを同梱しての発売である。A7M266-DのようにUSBコネクタが廃されてはいないが、その代わりにバックパネルがUSB端子を塞ぐようにデザインされており、同梱のパネルを用いる限りオンボードのUSB端子は使用不可だ。もっとも、拡張スロットはAGP×1、64bit/66MHz PCI×2、32Bit/33MHz PCI×4と、A7M266-DよりもPCIスロットが1本多い。このためUSBカードを差しても差していない状態のA7M266-Dと同等の拡張性を確保できるのはうれしいところではある。
背面に用意されるインターフェイス。RJ-45の直下にUSB×2が見える | USB端子部分が塞がれた同梱のバックパネル | 同梱するUSBカード。コントローラはOPTi製“82C862” |
なお、これまではっきりとは明らかになっていないバグの詳細についてUSER'S SIDE本店によると「USB1.1に高負荷がかかると、USBコントローラとIRQをシェアしているPCIがハングアップしてしまう」とのこと。これが発売延期やUSBカード同梱の理由となったようだ。ただこれは逆に言えば高負荷のかからないUSBデバイスなら問題ない可能性があり、動作保証外ながら同店では店頭デモ機に光学式マウスを接続して動作させていた。
コントロールパネル。USBマウスが接続されている |
仕様面ではメモリサポートが製品版で大きく変わった。展示品ではレジスタードDDR SDRAMのみの対応とされていたのに対し、実際の製品ではA7M266-Dと同様、2バンクまでの制限付きながらアンバッファードタイプにも対応。また、電源コネクタとしてATX 20ピンとATX12V、AUXとして内蔵ATAPI向け4ピンコネクタが用意されるのはこれまでどおりだが、4ピンをAUXとして利用する場合、その電源ケーブルで他のドライブに給電するとシステムが不安定になる旨がメモリサポートとあわせて付属のペーパーに記されている。
USBやメモリ、電源について仕様変更を説明する同梱のペーパー。このほかUSBカードのマニュアルもパッケージには同梱している | 基本的には外観に変更のない電源コネクタ部。要求水準が高くなったということだろう |
このほか仕様面に変更はなく、3Com製のネットワークコントローラを搭載して価格は3万6800円。円安の影響で当初予定価格より高価になってしまったが、これはやむを得ないだろう。
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