米E.ピファニー社(E.piphany Inc.)は21日、日本法人“日本E.ピファニー株式会社”を16日に設立したと発表した。また、日本E.ピファニーは提供するソフトウェアの第1弾として、CRMソフトウェア『E.piphany E5』の1部分である『アナリティック プラットフォーム』の出荷を、30日に開始する。
E.ピファニーは『E.piphany E5』などのCRM(Customer Relationship Management)(※1)ソフトウェアを開発・販売する企業。
※1 CRMとは、データベースなどでさまざまな顧客情報を一括して管理し、顧客のニーズにすばやく、適切に対応して顧客の満足度を高める。それによって顧客との長期的な関係を構築し、繰り返し注文を得ることで、コストを安くおさえようとするマーケティング方法。![]() |
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徳末哲一代表取締役会長 |
都内で開かれた記者会見で、日本E.ピファニーの代表取締役会長に就任した徳末哲一氏は「E.ピファニーのグローバルなブランド名、アーキテクチャーなどをコアにして、日本市場に適応した製品を提供していく。日本独自のソリューションも開発する」と、米E.ピファニーの製品を日本市場向けにローカライズするだけでなく、独自の製品を開発していくと語った。
E.ピファニーでは、経済活動の主役が企業から消費者に移る“カスタマーエコノミー”と呼ばれる時代になるとしており、それに対応する製品を提供していくという。
米E.ピファニーの上席副社長(Executive Vice President)のフィリップ・フェルナンデス(Phillip Fernandez)氏は「従来型のマーケティングは、ほとんどが一方的なものだった。だが、インターネットやワイヤレス通信などを利用した次世代のマーケティングは、対話型で双方向なものになる」と述べた。
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米E.ピファニー フィリップ・フェルナンデス上席副社長 |
統合されたCRMソフトウェア
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『アナリティック プラットフォーム』のキャンペーン計画画面 |
E.ピファニーのCRMソフトウェア『E.piphany E5』は『アナリティック プラットフォーム』、『リアルタイム パーソナライゼーション』、『インタラクティブ プラットフォーム』の3つの製品によって構成されている。『アナリティック プラットフォーム』はさまざまな種類の情報を分析してキャンペーン計画などを作成したり、ビジネスチャンスを探したりする。『リアルタイム パーソナライゼーション』はデータベースなどで管理している顧客情報をフィルタリングして、それぞれの顧客にベストなオファーを選択する。『インタラクティブ プラットフォーム』はウェブサイトやEメール、電話などの手段で顧客をサポートする。これらの製品がそれぞれ連携することで、統合された環境を提供する。
『E.piphany E5』の特徴は、分析系CRMと実行系CRMなど、CRMを構築する環境がすべてシームレスに一元化されていることが挙げられる。また、統合されていることで導入が容易になり、例えばある企業がCRMを導入するのに9ヵ月かかっても稼動しなかったのが、『E.piphany E5』によって4週間で構築できたという。
『E.piphany E5』のサーバー側はWindows NT、UNIX上で動作し、データベースもODBC経由でさまざまな種類のデータベースにアクセスできる。クライアント側はInternet ExplorerかNetscapeがあればプラットフォームを選ばない、完全にウェブベースのアプリケーション。将来的にはJ2EE(Java 2 Enterprise Editon)に対応する。
将来は日本発の製品展開も
日本E.ピファニーは『E.piphany E5』の『アナリティック プラットフォーム』を30日に、『リアルタイム パーソナライゼーション』を6月末に、『インタラクティブ プラットフォーム』を第4四半期にそれぞれ提供を開始する。
価格は『アナリティック プラットフォーム』の最小構成で2000万円程度。
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生駒芳樹代表取締役社長 |
日本E.ピファニーの代表取締役社長に就任した生駒芳樹氏は「初年度は『E.piphany E5』の日本語版を提供することで手一杯だが、将来は、単なるディストリビューターではなく、我々自身が開発を行ない、知的所有権も保持する。iモードやほかの携帯情報端末を利用した、日本独自の製品を来年度には提供することを検討している。米本社と提携して、それら日本発のサービスを展開し、5年後には売り上げ150億円を目指す」と、今後の方針を語った。
