エピファニー・ソフトウェア(株)は17日、CRMソフトウェアの新製品、分析/レポーティングツール『インサイトE.6』と、マーケティングツール『マーケティングE.6』の出荷を、6月中に開始すると発表した。
エピファニー・ソフトウェア代表取締役社長の生駒芳樹氏 |
都内で開かれた記者会見で、同社代表取締役社長の生駒芳樹氏は、まず「2001年の3月に会社を設立し、2年目に入った。これまでは“E.ピファニー”と名乗っていたが、会社の実態をより理解してもらうため、“ソフトウェア”を付けて社名を変更した」(4月1日付けで日本E.ピファニー株式会社から“エピファニー・ソフトウェア株式会社”に社名変更している)と述べ、「この1年間で、3つの実績と成果をあげた。1つ目は、製品出荷計画を遵守して、予定度どおり製品を出荷したこと。2つ目は、インプリメンテーションサービスを担当するパートナー24社との契約を締結し、そのうちの3社とは、さらにリセールパートナーとしての契約を完了していること。そして3つ目は、日本を代表する企業10社に、弊社の製品を採用してもらったこと。これは最大の成果と言える」と語った。
E.6の構成図 |
今回、同社が発表した製品は、『インサイトE.6』と『マーケティングE.6』の2つで、同社のウェブベースで利用できるCRMソフトウェアスイート『E.6』を構成するソフトウェア群。『E.6』は、従来製品『E.piphany E5.5』のアップグレード版で、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)をプラットフォームに採用しており、さまざまな企業における基幹系システムとの統合が可能になっているという。
インサイトE.6のハイアンドロー分析 |
インサイトE.6は、分析/レポーティングツール。分析・統計手法を利用した顧客情報分析やデータマイニングを、ウェブベースのインターフェースから実行できる。用途別の分析テンプレートも用意し、eコマースや間接販売、B2Bマーケットプレースなどで用いることができる。分析機能とレポーティング機能が強化された。分析機能では、ユーザー定義のメジャーが利用可能になった。また、レポーティング機能では、グラフと表の種類が増えたほか、レポートのレイアウトをユーザーがより細かく設定できるようになった。
マーケティングE.6のターゲッティングマネジメント。どのような過程を経てターゲッティングを行なったのかをチャートで見ることができる |
マーケティングE.6は、顧客情報を利用してキャンペーンの計画・実施・結果分析までをトータルにサポートするマーケティングツール。複雑な会社組織を持つ法人を対象にしたキャンペーンの企画や実施が行なえるほか、数千の顧客を持つ大規模環境でも、マルチステップキャンペーン(顧客に送付したキャンペーンメールが開封されたなかった場合には、後日ダイレクトメールを送るなど、複数の段階を設けたキャンペーン)をなど実施できるようになっている。
米E.ピファニー社エグゼクティブ バイス プレジデントのフィル・フェルナンデス(Phil Fernandez)氏 |
米E.ピファニー社エグゼクティブ バイス プレジデントのフィル・フェルナンデス(Phil Fernandez)氏は「E.6は、本社のリリースの中でも最も大きなもの。J2EEをベースとして、コンポーネントベースの世界を構築できる。実際に市場に出ている製品の中でも、最もオープンな製品であるし、統合性にも優れていると言える。また、弊社の製品は、国際マーケットを意識した製品なので、世界各地の環境に適合できると自負している」と語った。
エピファニー・ソフトウェアは国内において、6月にインサイトE.6とマーケティングE.6をリリースした後に、2002年の第3四半期(10月頃)に『サービスE.6』、2003年の第1四半期(3月頃)に『セールスE.6』をリリースする予定。サービスE.6はコンタクトセンターのためのツールで、ウェブ、電子メール、電話、チャット、ファクスなど、マルチチャネルの環境をサポートする。これによって、常に顧客やユーザーが、最善のサービスを受けられるようになるだけでなく、コンタクトセンターにかかるコストの削減も図れるという。またセールスE.6は、セールスマンや販売管理部門向けの、分析機能を備えた事実把握・報告ツール。同社のほかの製品と組み合わせることによって、マーケティングとセールスの融合も可能になるとしている。
エピファニー・ソフトウェアのプロダクトサービス本部長である中村定氏 |
これらの製品の説明を行なった同社プロダクト・サービス本部長の中村定氏は「サービスE.6もセールスE.6も、日本の実情に即した製品としてリリースする予定」と述べた。
E.6スイートの製品群は、サーバー側はWindows 2000、Solaris 8、HP-UX、AIX上で動作し、データベースはSQL Server、Oracle、IBM DB2/UDBなどが利用可能。クライアント側には、Internet Explorerか、Netscape Navigatorのみ必要となっている。価格は、最小構成で2000万円程度になるとしている。
生駒氏は、今後の目標について「弊社では、1月から12月を会計年度としているが、2002年度は売上高を15億円、20社の新規開拓を目標としている。本日は『E.6』という製品を発表したが、きっちりと予定通りに製品を出荷し、『CRMと言えばエピファニーだな』と、業界やお客様に、すぐに認知してもらえるようなブランドを確立したい。日本の社会に根ざした企業をめざし、今年もがんばっていきたい」と語った。