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GA-7DXC

GA-7DXC

2000年12月08日 14時59分更新

文● 丸尾

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GA-7DXC

日本ギガ・バイト/バーテックスリンク

オープンプライス

Gigabyteの「GA-7DX」は、SDRAMの2倍のデータ転送レートをもつDDR SDRAMに初めて対応したAthlon/Duron用のSocketAマザーボードだ。順調に高クロック品をリリースし好調なセールスを続けるAthlonの次世代プラットフォームの実力はいかに? 仕様の解説、そして、気になるパフォーマンスをベンチマークによって検証していこう。

SDRAMの2倍の転送レートを実現する
DDR SDRAM対応マザーボードが遂に登場

 Gigabyteから注目のマザーボード「GA-7DXC」が登場した。注目されている最大の理由は、なんといっても、このボードがDDR SDRAMをサポートした初めての製品だからである。DDRとは「Double Data Rate(ダブルデータレート)」の略で、その名のとおり従来SDRAMの2倍のデータ転送レートを実現したメモリ。SDRAMと同様に、クロックジェネレータからの100MHzや133MHzのクロックを使ってタイミングをとるが、そのクロックの立ち上がりと立ち下がり、両方に同期してデータ転送を行うことで、SDRAMの2倍のデータ転送レートを実現している。技術的にSDRAMの延長線上にあるため、コスト的にもSDRAMと競争力があり、SDRAMに代わる次世代メモリとして注目されている。DDR SDRAMは、従来SDRAM(3.3V)より低電圧の2.5Vで駆動、メモリモジュール「DDR DIMM」のピン数は184ピンで、従来SDRAM用の168ピンDIMMソケットには差さらないようになっている。

 そのDDR SDRAM、モジュールとしては現状、下記の(少量であるが)2種類が出回っている。

  • PC1600 DDR SDRAM(CL=2):DDR200チップ(CL=2)を搭載、64bit/200MHzでデータ転送、データ転送レート1.6GB/秒
  • PC2100 DDR SDRAM(CL=2.5):DDR266チップ(CL=2.5)を搭載、64bit/266MHzでデータ転送、データ転送レート2.1GB/秒

 いささかややこしく感じるかもしれないが、「DDR200」「DDR266」というのはDDR SDRAMのチップ自体の呼称で、チップを搭載したメモリモジュールのことは、それぞれ「PC1600」「PC2100」というバンド幅で呼称することになっている。なお、「CL」というのは、メモリの「CAS Latency(キャスレイテンシ)」の略で、メモリのアドレスを与えてからデータの入出力が可能になるまでの遅延時間。メモリ内のデータは格子状に格納されており、行アドレスを指定したあと、列アドレスを指定してデータを呼び出す。「CL=2」とは、列アドレスを指定してからデータの入出力が可能になるまで2クロックかかるということを指している。また、近い将来にはCAS Latencyが2クロックのDDR266チップを搭載した「PC2100 DDR SDRAM(CL=2)」も登場する予定となっている。

GA-7DXCに付属するMicron製PC2100 DDR SDRAM(CL=2.5)モジュール。PC1600 DDR SDRAMモジュールとしても動作する。ピン数は184ピン。「ENG SAMPLE」と印刷されたシールが貼ってあり、チップ表面にも「ES」と印刷されている。

 そのDDR SDRAMをサポートしたチップセットとしては、AMDの「AMD-760」や、ALi「ALiMAGiK 1」、VIA「Apollo Pro266」などが発表されているが、市場に登場してきたのはAMD-760が初めてだ。AMD-760は、200MHzと266MHzのFSB、PC1600とPC2100のDDR SDRAMに対応する、期待のAthlon、Duron用チップセット。North Bridgeの「AMD-761」とSouth Bridge「AMD-766」の2チップで構成されるが、South BridgeにはVIAの「VT82C686B」(以下、686B)を使うこともできる。各社から公開されている仕様を見ると、こちらが使われることが多いようだ。スーパーI/OやAC'97オーディオコントローラを内蔵など多機能であることや、Apollo KT133やApollo Pro133Aなど過去のチップセットで実装のノウハウが蓄積されていることなどが理由だろう。このAMD-761に686Bを組み合わせた構成のチップセットを何と呼称するのかは微妙なところだが、ここでは「AMD761+686B」としておく。チップセットの機能比較は表に示したので参照してほしい。


チップセット名 AMD-760 Apollo KT133(A)(※1) ALiMAGiK 1 i850
North Bridge(MCH) AMD-761 VT8363 M1647 82850
South Bridge(ICH) AMD-766/VT82C686B VT82C686B/VT82C686A M1535D+ 82801BA(ICH2)
対応CPU Athlon/Duron Athlon/Duron Athlon/Duron Pentium 4
FSB 200/266MHz 200MHz(200/266MHz) 200/266MHz 400MHz
CPUバス最大帯域 2.1GB/秒 1.6GB/秒(2.1GB/秒) 2.1GB/秒 3.2GB/秒
メインメモリサポート DDR SDRAM、SDRAM SDRAM、VC-SDRAMほか DDR SDRAM、SDRAM DRDRAM 2チャンネル
メインメモリデータクロック 266MHz 100/133MHz 266MHz 800MHz
メインメモリ最大帯域 2.1GB/秒 1.06GB/秒 2.1GB/秒 3.2GB/秒
メインメモリ最大容量 4GB 1.5GB 3GB 2GB
AGP 1x/2x/4x 1x/2x/4x 1x/2x/4x 1x/2x/4x
IDEコントローラ UltraATA/100 UltraATA/100/UltraATA/66(※2) UltraATA/100 UltraATA/100
IDEバス最大転送速度 100MB/秒 100MB/秒/66MB/秒(※3) 100MB/秒 100MB/秒
PCIバスマスタ 6 5 6 6
チップセット間バス PCIバス PCIバス PCIバス Hub Interface
チップセット間帯域 133MB/秒 133MB/秒 133MB/秒 266MB/秒
※1 Apollo KT133Aは、KT133のFSB266MHz対応版

※2 South BridgeがVT82C686Aの場合

※3 South BridgeがVT82C686Aの場合

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