当サイトでも、8月17日に紹介した小型のLinuxサーバ「blue grass」だが、9月29日の発売にあわせ、LinuxWorld Expo/Tokyo'99にて、プレス向けに発表会が行なわれた。
blue grass |
会場には、blue grassの製作を行なう(株)アクアリウムコンピュータ代表取締役社長熊倉次郎氏、日本オラクル(株)代表取締役社長佐野 力氏、blue grassの販売代理店となるぷらっとホーム(株)代表取締役社長本多弘男氏、同じく代理店となるディーアイエスシステム販売(株)の代表取締役社長藤原孫三郎氏、(株)まぐまぐの代表取締役社長大川弘一氏ほか、blue grass製作/販売に関わるメンバーが顔をそろえた。
左から、熊倉氏、佐野氏、本多氏、藤原氏 |
会場では、熊倉氏がblue grassはもともとOracleを載せる小さなサーバ「Micro Oracle Server(MOS)」を作ろうという話が発端だったこと、今後同社のサーバは熱帯魚の名前をつけていく、といった話とともに、出荷されているLinuxサーバでは世界最小を実現したことなど、blue grass製作の経緯と特徴が語られた。
熊倉氏は、「LinuxというのはUNIXであるので、やはり難しい。そこを簡単にしないといけないと考え、Webブラウザできっちり管理できるものをということで、HDE-WUI(ホライズン・デジタル・エンタープライズの、WebベースのLinux管理ツール)をインストールしている。Intelベースのアーキテクチャを採用していることも強みで、RPMも利用可能だ。MOSという発端もあり、Oracle8iも動く。今後は、ローエンドの市場を確立していきたい」とした。現在Oracle8iは搭載されていないが、搭載モデルも出荷予定だ。
スペックは、CPUにMediaGX-233MHzを採用。これは、「Intel互換であるばかりか、発熱も抑えられる」からだという。HDDは6.4GB、メモリは標準64MBで128MBまで搭載可能。ネットワークは100BASE-Tを標準で装備し、オプションで別途10BASE-Tを装備することが可能だ。OSはTurboLinux 4.2を採用している。そのほか付属ソフトとして、サイボウズ Office2の60日無料使用版もインストールされている。価格は22万8000円。
サポートにも力を入れる。ハードウェアは、アルゴテクノス21により、全国オンサイトサポートが行なわれる。また、標準的な質問が寄せられた場合、それに答えるとともに、Web上に蓄積して公開するという。
初期ロットは100台。月300台の生産を行なうという。
熊倉氏は最後に、次期マシンを投入予定であるとして話を締めくくったのだが、記者団からの「次期マシンの詳細は?」という問いに対し、「みなさんのご意見をお聞きして採り入れていくつもり」としながらも、「実は同じ筐体で、サーバではなく、クライアントマシンとして出荷しないのか? という問い合わせを受けた」と答えた。どうやら、特に女性陣にデザインがウケたらしい。確かにblue grassの筐体が机の上にあったら楽しそうだ。
以下、各出席者のコメント概要である
日本オラクル 佐野力氏
少し前に見せていただいて、これは行ける、と思った。うちの会社にも水槽がありますし(笑)(※1)。生き物と一緒に仕事をすると、生き物が持っているエネルギーを受けることができる。熱帯魚は弱いものをぱくっと食べてしまうくらい激しい。われわれもWindows NTを食い物にして、パクパクと(笑)。22万円台と安いので、Oracle Serverとして立ち上げるのが任務だろうと思っている。若い人たち、若い製品とがんばってできたのがうれしい。