薄くて軽いだけじゃない、一目惚れするデザイン
type Pは単に小さなボディーを持つだけでなく、ソニーらしい所有欲をくすぐるデザインが魅力となっている。天面から裏面まで、つややかな光沢仕上げのボディー。側面や裏面はゴツゴツした出っ張りが皆無で、ねじ穴すらない。ディスプレー面も周囲のフレームとディスプレー自体がツライチとなるなど、フラットさを重視した造形となっている。側面は緩やかなカーブで構成されていて、見栄えの良さだけでなく持ちやすさも考慮している。
カラーバリエーションは4色。店頭販売モデルは「クリスタルホワイト」「ガーネットレッド」「ペリドットグリーン」の3色。CTO方式で販売されるVAIO OWNER MADEモデル(VOMモデル)では、さらに「オニキスブラック」が選べる。いずれの色も、多層塗装に手磨きを加えた、非常に手間のかかる塗装を施し、鉱石のような輝きを実現している。
一般的なノートパソコンは、ディスプレーの横やパームレスト部分にWindowsやCPUのロゴシールが貼られていたり、裏面にはWindowsのライセンスシールやバーコードシールが貼られていて、美観を損なう一因となっている。しかしtype Pではデザインを最優先して、これらのシール類は目に付くところに一切ない。Windowsのライセンスシールは、バッテリーを外した内側に貼っている。デザイン重視をうたうノートは珍しくないが、美観にこだわって表面からシールまで排除した製品は珍しい。
バッテリーはリチウムポリマータイプの薄型バッテリーを標準搭載。重さは店頭販売モデルで約636g(VGN-P80H/W)。VOMモデルの最軽量構成では、約588gという驚きの軽さを実現している。
それでいて、バッテリー駆動時間は約4.5時間(JEITA測定法1.0による)。別売りの大容量バッテリーパックを装着すれば、2倍の約9時間のバッテリー駆動を実現する。大容量バッテリー装着時でも重さは約758gなので、持ち歩いてヘビーに使っても苦にならない。
Atomでも2GBメモリーを搭載
type PはCPUに、モバイル機器向けのAtom Zシリーズを採用している。店頭販売モデルはAtom Z520(1.33GHz)を搭載。VOMモデルは最高でAtom Z540(1.86GHz)を選択できる。チップセットはIntel SCH US15W。H.264やWMV HDのビデオアクセラレーション機能を持つ。
Atom ZとSCHの組み合わせた既存のUMPCは、メモリーを1GBしか搭載していなかった。そのためWindows Vistaを採用していると、メモリー不足に悩まされることが多い。その点type Pは、標準で2GBのメモリーを搭載している。Vistaでもメモリー不足は感じないだろう。なお、店頭販売モデルの搭載OSはWindows Vista Home Basic SP1。VOMモデルではHome PremiumやBusinessも選択できる。
内蔵ストレージは、店頭販売モデルは1.8インチタイプの60GB HDDを内蔵する。VOMモデルでは、64GBまたは128GBのSSDも選択可能となっている。
お詫びと訂正:掲載当初、本体右側面の写真として、誤って左側面の写真を掲載しておりました。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2009年1月8日)
薄い本体ゆえに拡張性は高くないが、USBは2ポート備える。LAN接続については有線よりも、本体内蔵の無線LAN機能(IEEE 802.11b/g/n)を使用するというスタンスである。有線LAN端子や外部ディスプレー出力端子は内蔵するだけの余裕がないため、別売りの「ディスプレイ/LANアダプター」を本体右側面につないで使用することになる。
このディスプレイ/LANアダプターは、本体付属のACアダプターと合体する機能があり、忘れたりなくしたりしにくいようになっている。