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SIIとシャープが相次いで新製品を発表!

ビジネス文書や英文メールに自信が付く最新電子辞書

2008年11月26日 08時00分更新

文● 佐久間康仁/企画報道編集部

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 PCを使いこなしているつもりでも、なかなか便利にならないことがある。例えば取引先へのビジネスメールや、海外の相手に送る英文メールの作成は、何度経験しても自信が持てないという人は多いだろう。

SR-G9001

SIIが11月30日に発売予定の、PC連動型電子辞書「SR-G9001」。もちろん単体でも電子辞書として使用可能だが、USBケーブルでPCに接続することで真価を発揮する

 検索サイトを使えば日英翻訳サービスや文例集のWebサイトは見つけられるものの、本当にその内容で相手に失礼がないか、この文法で正しく通じるのか。一度誰かに見てもらわないとうっかり上司にも提出できない、なんて経験もあるだろう。

 そんな場面で役立つのが電子辞書だ。PC用翻訳ソフトや辞書ソフトを個別に揃えるよりも割安でインストールなどの手間がなく、自宅や会社だけでなく、出張先でも活用できる。11月下旬にSII(セイコーインスツル)とシャープが、相次いで電子辞書の新製品を発表したが、特にSIIの“PASORAMA”(パソラマ)機能搭載「SR-G9001」は、PCでビジネス文書や英文メールを作成する機会が多い人にこそ便利なツールだ。


PCから電子辞書を検索・引用できる
――SII“PASORAMA”「SR-G9001」

 SR-G9001の特徴は、USBケーブルでPC(Windows Vista/XP/2000対応)に接続すると、自動的にPC用検索ソフトのインストーラが起動して、PC画面から辞書や例文の検索が可能になる“PASORAMA”機能にある。

SR-G9001をPCに接続

SR-G9001をPCに接続して、PCから検索する「PASORAMA」機能を使ったところ。単語を1文字ずつ入力すると、候補となる見出し語が自動的に絞り込まれる「インクリメンタルサーチ」機能が働くが、使っていてももたつくことはなかった

 PCから電子辞書を検索できるというこの機能は、本体内メモリーに辞書を内蔵する“メモリー型電子辞書”では初搭載。メリットは、PCの大画面で検索結果や例文の一覧性が上がること、使い慣れているPCのキーボードから検索キーワードの入力や絞り込みができること、メールソフトやワープロソフトに普段と同じ操作でコピー&ペースト(引用)できること、などがある。

単語検索の画面。左上のプルダウンメニューが「一括検索」になっている場合には、見出し語で単語の意味や用例を検索する。英文作成などで用例を引きたい場合には「例文検索」に切り替えると便利だ

 搭載辞書も英文メール作成やビジネスシーンで役立つものが特に選ばれている(以下、収録辞書の一部抜粋)。

  • 「英文ビジネスレター文例大辞典」(日本経済新聞社、約1万5000例文)
  • 「用例中心 経済ビジネス英語表現辞典」(大修館書店、約2万4000例)
  • 「キーワードで引く 英文ビジネスレター事典」(三省堂、約4000例文)
  • 「説得できる英文Eメール 200の鉄則」(日経BP社、約1200例文)
  • 「この一言ですべて伝わる!ビジネス英語の最強フレーズ」(日経BP社、77例)
  • 「新編 英和活用大辞典」(研究社、約38万例)
  • 「ジーニアス英和大辞典 ジーニアス用例プラス」(大修館書店、約13万8000用例)
  • 「ナノテクノロジー用語 英和辞典 電子版」(大修館書店、約2500語)

 実際に使ってみると、見出し語検索と例文検索をプルダウンメニューで切り替えるため、単語の意味を知りたい場合と英文作成とで目的が異なるときに、不要な見出しを見せられることがない。

SR-G9001を縦置きするオリジナルスタンド

SR-G9001の発売記念キャンペーンとして、アンケートに答えると抽選で300名にオリジナルスタンドがプレゼントされる。ただし、USBケーブルやACアダプターは本体に直結するため、ただのスタンドとしての役目しかない

 例文を検索している途中で単語の意味や用法を確認したいときには、単語/フレーズをドラッグで選択してからダブルクリックすれば、意味を調べられる「ジャンプ機能」も備える。

 希望小売価格は7万円で、11月30日発売予定。モノクロ液晶ディスプレー搭載で、他社の電子辞書と比べると高めの価格設定だが、PCから検索できたり、容易に引用できるのは実に便利で、英文やビジネスメールの作成に自信を付けてくれるだろう。


電子辞書を毎日持ち歩く動機付けのための機能強化
――シャープ“Brain”「PW-TC980」

PW-TC980

シャープの多機能多目的電子辞書“Brain”「PW-TC980」。シャンパンゴールドとブラックの2色をラインナップしている

 なお、ほぼ同時期に発表されたシャープの電子辞書“Brain”「PW-TC980」は、SR-G9001と方向性がだいぶ異なる。電子辞書を毎日持ち歩く動機付けとして「ワンセグ視聴機能の強化」「電子書籍(XMDF形式)対応」、ならびに「メイン画面もペンタッチ対応」により使い勝手の向上を図った製品だ。

松田栄睦氏

電子辞書市場の踊り場状態を電子書籍リーダーやワンセグ視聴などの多機能で打破したいと意気込む、商品企画部の松田栄睦氏

 特にメイン画面のタッチパネル対応を生かす学習コンテンツが豊富にプレインストールされており、読む/聞くに加えてクイズ形式の問題を自分で解くという参加型コンテンツにより学習効果を高めているという(対話型アプリを100コンテンツ収録)。

 PW-TC980の価格はオープンプライスで、予想実売価格は5万円前後。同社商品企画部の松田栄睦氏は、こうした電子辞書の新しい使い方を提案することで、「ここ数年は国内270万台程度で踊り場状態の電子辞書市場を拡大していきたい」と述べ、新製品に期待感を示した。


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