iPhoneがスマートフォン分野で大躍進
2つ目の発表は、iPhoneとiPod touchに関するものだ。ジョブズCEOは、「今日がiPhoneが発売されてからちょうど200日にあたる」と述べ、iPhoneの出荷台数が400万台に達したことを発表。日割りにすると、毎日2万台ずつ売れ続けている計算だ。
基調講演当日で、iPhoneの出荷からちょうど200日
累計400万台のiPhoneをすでに出荷したという
スマートフォン分野で第2位につけたApple
米ガードナー社の統計資料を例に、米国におけるスマートフォンのメーカーの市場シェアを円グラフで説明した。それによると、昨年10～12月までの四半期で、もっともシェアが多いのは「BlackBerry」を擁するRIM社の39.0％。しかし、iPhoneは第2位まで伸びて来ており、19.5％の市場シェアを獲得。そのほか、パーム社が9.8％、モトローラ社が7.4％、ノキア社が3.1％と続く。
ジョブズCEOは、「iPhoneは発売後90日で、パーム・モトローラ・ノキアを足したのとほぼ同じシェアを達成した」と、iPhoneの順調なセールスをアピール。iPhone用SDK（開発キット）を予定通り2月末に一般公開すると述べると、会場全体から拍手が起きた。
現在位置検出やWebクリップなどiPhoneの機能アップ
iPhoneに加わった機能は、位置情報に対応した「Maps」や、Webクリップ、ホーム画面のカスタマイズ、SMSの同報送信、ムービー再生でのチャプター／サブタイトル／言語切り替えへの対応、歌詞表示──などだ
続いては、iPhoneのソフトウェアアップデートについてだ。これにより、iPhone付属の地図ソフト「Maps」が進化し、ユーザーの現在地が表示可能になる。iPhoneはGPSを内蔵していないものの、米Google社と米スカイフック社と協力することで、近隣の携帯電話基地局とWi-Fi基地局の接続状況から三角測量でユーザーの現在地を割り出す仕組みだという。この機能を使えば、ユーザーはルート検索の開始点を自動的に設定したり、周辺の店舗や施設などを簡単に見つけ出せる。
経路検索で、検出した位置情報を出発点として自動入力し（左）、ルートを検索するデモを行った
ホーム画面には、カスタマイズ機能が加わった。Dockのアイコンを入れ替えたり、ボタンの並び替え、後述する「Webクリップ」をDockのアイコンとして登録可能だ。
Safariで任意のウェブページを表示して画面下の「+」ボタンをクリックすると、ブックマークへの追加／ホーム画面への追加／メールでのリンク送信──の3種類のアクションを選べる。ホーム画面のへ追加でページの一部を切り取って「Webクリップ」を保存できる。WebクリップはiPhoneのホーム画面に登録されて、次回からはアイコンをタッチするだけで最新の情報を確認できるというわけだ。Webクリップは、一度表示したウェブページをただ保存するだけでなく、どこをズーム／パンしたかも記憶しているため、ページ全体をブックマークのように登録したり、ページ内の一部をウィジェットのように登録するといったいずれのケースにも活用できる。また、ホーム画面のアイコンを数秒タッチし続けると、全アイコンがブルブルと震えるアニメーションも付いた。
「＋」ボタンをクリックすると現れるメニューで「Add to Home Screen」を選び（左）、キーボード画面で名前を付ければ「Webクリップ」を保存できる
iPod機能のムービー再生では、チャプターをリスト表示してジャンプする機能や、字幕を表示する機能、言語を切り替える機能も加わった。これらの新機能はすべてのiPhoneに本日から追加され、既存ユーザーはMacやPCのiTunes経由で無料でアップグレードできる。
ムービーに埋め込まれた言語情報を切り替えられるようになった
音楽再生時に歌詞を表示することも可能だ
iPod touchもアップデート（ただし有料）
日本のユーザーにとっては、次に触れられたiPod touchのアップデートのほうが興味深いだろう。touchには、メール／株価情報／位置情報付きの地図／ノート／天気予報──の5つの新ソフトが加わる。さらに、Webクリップやホーム画面のカスタマイズ、動画再生時のチャプターや字幕表示／言語設定、歌詞表示に対応。ただし、iPhoneのアップデートは無料だが、iPod touchの場合は新しいソフトを追加するのに20ドル（日本では2480円）かかる。なお、基調講演以降に発売されるiPod touchには基本的にこれらの新ソフトは搭載済みとのこと。
iPhoneでのアップデートと同様の機能強化がiPod touchにも施された。しかし、こちらは有料アップデート。既存ユーザーはiTunes Store経由で購入しなくてはならない
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