Macworld 2008 リポート Vol. 7
「Mac」が主役に返り咲き──波に乗るアップル、活気に溢れるMacworld会場(前編)
2008年01月21日 17時00分更新

今年の「Macworld Expo」の基調講演では、MacBook Airが発表された
今回のMacworld Expoの最大の特徴は、これが「年に一度のMacの祭典だ」ということだろう。
「当たり前じゃないか」という声が聞こえてきそうだが、実はこれが大事なポイントだ。ここ数年のMacworld Expoは、必ずしもそうではなかった。2003、2004年以降はiPod関係の展示が急速に増え、一時は「iPodworld Expo」と揶揄する声もあったほどだ。
しかし、今回は違う。
イベントを主催するIDG Expoによれば、今回のMacworld Expoでは、出展者の85%がiPodではなく、Mac関係の展示を行っている」という。IDG World Expoのブランド副社長、ポール・ケント氏は「ここ1〜2年におけるMacの売れ行きや勢いは凄まじいものがあり、それをイベントでも生かしたい」と語っていた。
「今回のイベントには活気がある」
実際、会場の周囲から熱気が溢れていることに驚かされる。
会場であるモスコーニセンター(Google マップ)に近付くと、朝、昼、夕方に関わらず、常に人混みができている。会場は繁華街であるユニオンスクエア周辺からも離れ、普段、それほどは混雑していないエリアなのに、ちょっと異常な光景だ。
その光景を見て、十年以上に渡って同イベントを取材しているジャーナリスト達も一様に「今回のイベントには活気がある」と感想をもらしていた。たしかに、参加者は例年よりも増えているようだ。
ちなみに2007年におけるMacworld Expoの参加者は4万6000人だったが、今年はそれをはるかに上回りそうだ。とはいえ、会場内のアップルブースに行っても、例年に比べて何倍も混んでいる、といった印象はない。なぜだろう。
4万6000人のうち無視できないほど大勢の人間がプレス、つまりマスコミ関係者やアナリスト達だ。プレスの参加人数については、IDG Expoからコメントを得られなかったが、数100人から1000人くらいはそうではないかと思う。もしかしたらもっと多いかも知れない。
ジョブズが復帰する前後の1996〜1997年に、アップルを取材していたのは、減少傾向のMac媒体と、経済誌の記者達だった。しかも経済誌の記者の中には、今度こそ「アップルが他社に買収された」という発表があるのではないかと胸をときめかせて基調講演を見に来ていた人もいた。
そしてiMacが発表された1998年以降、USBやレガシーフリーといった新トレンドを生み出したアップルに関心が集まり、Mac以外のパソコン専門誌の取材も大幅に増えた。
この熱気はだんだんと盛り上がりを見せるが、まだまだ緩やかな伸びだった。
