Macworld 2008 リポート Vol. 9
「Mac」が主役に返り咲き──波に乗るアップル、活気に溢れるMacworld会場(後編)
2008年01月23日 11時20分更新

人ごみであふれていたMacworld Expo会場のモスコーニセンター
今年のMacworld Expoを取材するジャーナリスト達と話をすると、古株の人たちからも「今年のMacworld Expoは、何か来場者の活気が溢れているね」との声がよく聞かれた。
実は私もそれは感じていた。
いつもMacworld Expoの基調講演が行なわれ、新製品が発表されると、基調講演会場の近くにあるApple Store San Franciscoに聴衆が移動して大行列を作り、その分、会場は製品が売り切れるまでしばらくスカスカになる。
しかし、今年は会場のモスコーニセンターの中に入らないまでも近づいただけで、そこかしこに人が溢れているのだ。大勢人がいるので、入り口に向かう途中では、出展者や近くのパソコンショップ、近所にできたばかりのレストランの人々がビラを配っている。
信号を渡ってモスコーニセンターに行こうとする一角が、常に人で埋め尽くされている。おかげで周囲の店にも人が大勢入っており、「Welcome Macworld Expo!」という看板を掲げている店も少なくない。
最初はあの人混みは朝だけかと思っていたが、昼間も夜も、かなり中途半端な時間にのぞいても、常に人が大勢いる。
従来と変わった会場構成
そんな会場訪問を繰り返していたら、ある時、アップルのスゴイ計算に気がついた。
今回のMacworld Expoは、モスコーニセンター会場の南ホールと西ホールを使って行われる。
モスコーニセンターはかなり巨大なイベント会場で、展示を行う場合は、通常、一番、床面積の広い南ホールを使う。その南会場に収まりきらないイベントでは、南ホールに加えて、2番目に大きい北ホールも使う。南北のホールは、地下通路でつながっているので、雨が降っても濡れずに往復できるのだ。実際、これまでのMacworld Expoは、ずっと南北のホールを抑えてきた。
しかし、今回は北ホールの代わりに、日当たりのいい地上の建物、西ホールを使った。展示会場は北ホールと比べて、多少狭くなるが、建物が新しくてきれいだし、カンファレンスをするための会議室もたくさんあるので、私はそれが理由だと思っていた。
おそらくカンファレンスのための理由もあるのだろうが、今ではそれだけがすべてではないと思っている。
西ホールと南ホールは交差点を挟んではす向かいの位置関係にある。つまり、行き来するには、信号を2度渡らなければならない。このために人が交差点のところに滞留する。実はこれが大きな人混みを作り出し、Macworld Expoの活気を増幅させていたのだ。
