創作活動と実生活
── 音楽を創り続けることと生活を両立するのは難しいわけですが、それを踏まえた上で、ここで一発当てて会社辞めようって気にはならない?
Denkitribe それはないです(笑) いまの自分の状況は、本職の収入源があって、生活基盤が確保できているからですね。本職でもやりたいことがありますし。単純に多くの人に見てもらいたいと思えば、それは動画サイトに置いておくだけで十分なんです。ニコ動とかYouTubeでやっていたら、物理的な媒体や配信で出すというお声がかかっただけで、今のところ副産物的なことかなと。
── bakerさんはどうですか?
baker そこそこ生活できて、機材が買えるお金があって、そこそこ仲がいい友達が居て、そこそこ発表できる場所があれば、それだけでいいですね。そういう人間にとって、今の時代は少しやりやすくなったのかなと思います。
── いまの経済状況のことも含めてですか?
baker ええ。真っ当にやっていても商売にならなくなってきているじゃないですか。だったら、上手く行くかどうかは別にして、好きなようにやる意味はあるんじゃないか……とか言うとカッコいいのかなと。
── ガクッ(笑) いや、でもその通りかも知れないですよ。
baker いつだろうと、手段が何だろうと、僕は結局、作るものは作ると思います。ものを作るのは大変だし、前より良くなければならない、自分に成長を感じられなければ納得いかない、そういうことばかり考えるから、苦しくてしょうがないです。ぶっちゃけ死にたくなることばっかなんですよ。でも作らないと死ぬんですよ。だからやるんですよ。空気吸ってるのと一緒です。
Denkitribe おお、話として上手くまとまったじゃないですか。
baker 空気吸ってるのと一緒ですよ。
── 目がマジで怖いんですけど(笑) ではカッコ良く決まったところで終わりにしましょう。今日はありがとうございました!
Denkitribe×baker KORG DS-10
この取材にかこつけて、Denkitribeさんとbakerさんにお願いし、KORG DS-10を使ったライブセッションをやってもらった。収録は2008年の12月。bakerさんがその場で音を作り始め、ループが固まってくると、その上にDenkitribeさんが重ねる形でセッションはスタート。お互いに空気を読み合い、先の展開を作っていく様子は圧巻だった。全員必聴!