普段はスマートフォンとして使い、映画などを見たい時に開けば大画面タブレットになる。そんな夢のようなスマートフォンが中国の新興メーカーから登場しました。世界初のフォルダブルディスプレーを搭載し、折り曲げ可能なスマートフォンを開発したRoyoleとはどんなメーカーなのでしょうか?
開くとタブレット、閉じると両画面スマホになる「FlexPai」
2018年11月、Royoleは世界初となるディスプレーが折り曲げられるスマートフォン「FlexPai」を発表しました。サムスンは2013年にこのアイディアのコンセプトを発表しながらもなかなか製品を市場に出せないままでしたが、ディスプレーメーカーでもあるそのサムスンを出し抜いて中国の新興企業が世界初の栄誉を手にしたのです。
FlexPaiは折り曲げ可能なディスプレーを搭載しているものの、手帳のように開いたり閉じたりできるわけではありません。ヒンジの部分は折りたたんだ両面がぴたりとはくっつかず、ある程度のすき間がある構造になっています。それでも折りたたんだ状態でギリギリポケットに入れることもできます。
FlexPaiのディスプレーサイズは開くと7.8型、1920x1440ドットでよくあるタブレットと似たデザインとなります。カメラは上部に2つ、2000万画素と1600万画素のデュアルカメラで、閉じたときはリアカメラにもフロントカメラとしても使えます。
そしてこの本体を閉じるとスマートフォンの形になるのです。ディスプレーの片面は4.3型、1440x810ドット、アスペクト比16:9。もう片側は1440x720ドット、縦横比18:9。どちらの面もカメラが無い全画面仕様となっているのも特徴です。それぞれ特殊な解像度ではなく、スマートフォンで一般的な縦横比としているため、アプリによってメニュー位置が使いにくい、ということもありません。そしてヒンジの降り曲がった部分は1440x390ドット、21:6のディスプレーとなりショートカットのソフトキーなどが配置されます。
このような折り曲げ可能なスマートフォンを実現できたのは、Royoleが2012年の創業以来、一貫してフレキシブルディスプレーの開発を進めてきたからです。
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