2017年から一転、暗いニュースが増えた:
仮想通貨ブロックチェーン10大ニュース2018
2018年12月10日 09時00分更新
仮想通貨受難の年 Crypto360
2017年を振り返ると、仮想通貨とブロックチェーンの未来は明るかった。価格の高騰にともない、新規参入を目指す企業が相次ぎ、景気のいいニュースが次々に報じられた。しかし2018年は事件とその後の対応に明け暮れた一年だった。価格下落など業界全体の低迷も続いた。今年の10大ニュースを選んでみたが、明るいニュースを探すのがなかなか難しい。
10位…業務改善命令相次ぐ
1月に起きたコインチェック事件を受けて、金融庁が仮想通貨の取引所に次々と立ち入り検査に入った。金融庁はこれまでに、正式に「仮想通貨交換業者」として金融庁に登録されている取引所7社と、登録に向けた審査が継続中だった「みなし業者」10社に対して業務停止命令や業務改善命令を出している。
ハッキングへの備えが不十分だったり、利用者から預かった資産の管理がいい加減だったりと、取引所が抱える問題が浮き彫りになった。
9位…自主規制団体ができた
日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が10月24日、金融庁の審査を通過し、国内仮想通貨業界の正式な自主規制団体になった。
もとは2つの団体があったが、なかなかまとまらず、自主規制団体の立ち上げが進まなかった。これもコインチェック事件をきっかけに、金融庁の強い意向もあり、正式な登録業者16社が3月に交換業協会を立ち上げた。
動きの早い業界で、協会としてどれだけ実効性のある自主規制の機能を発揮できるかが課題だ。
8位…新規参入は160社待ち
金融庁が9月に公表した資料によれば、160社を超える企業が仮想通貨交換業への参入の意向を示しているという。
ただ160社には電話での問い合わせなども含むといい、本気で参入を準備している企業は50社を下回るようだ。仮想通貨への関心の根強さを示す数字だ。
7位…仮想通貨の呼称は「暗号資産」に?
仮想通貨の呼び名が「暗号資産」に変わりそうだ。もとは新しい決済手段としての仮想通貨の機能に注目が集まっていたことから、2017年4月に改正資金決済法が施行された時点で、法的にも仮想通貨の呼び名が定着した。
しかし、処理速度の問題や、価格変動の激しさ、ハッキングのリスクなどから、決済手段としての仮想通貨はなかなか定着せず、投機あるいは投資の対象としての性質が前面に出ていることから、金融庁が呼び名の変更を検討している。
6位…規制強化へ
金融庁が2018年4月以降、有識者らによる研究会を立ち上げ、仮想通貨の取引をめぐる課題や、今後の規制のあり方について検討を重ねてきた。仮想通貨で資金を集めるICO(Initial Coin Offering)などへの規制が新たに導入されそうだ。
今回の規制では、インターネットに接続した状態で仮想通貨を管理する「ホットウォレット」について、管理するのと同額以上の仮想通貨を別途保有するよう、取引所に義務づける見通し。
利用者にとっては、顧客保護が強化される内容になりそうだ。
5位…Zaifから70億円流出
テックビューロが運営する取引所Zaifから9月14日、70億円相当の仮想通貨が流出した。同社は利用者への補償原資が確保できなかったことなどからフィスコに支援を要請。11月22日付で、フィスコ仮想通貨取引所に事業が譲渡された。現在は同取引所がZaifを運営している。
4位…競争激化
コインチェック事件をきっかけに金融庁が監督を強化した結果、みなし業者の撤退が相次いだ。結果、2月の時点で16社あったみなし業者は、12月の時点で3社にまで減っている。3社はいずれも大手企業からの出資を受けた。
正式な登録業者は16社あったが、テックビューロの事業譲渡で現在は15社に。登録はされているものの、金融庁の示す要件を満たせずサービスを開始できない企業も複数ある。
今後はLINE、ヤフー、マネーフォワードなど、FinTech企業として一定の地位を築いた企業が参入する見通し。競争はさらに激しくなりそうだ。
3位…コインチェックから580億円流出
1月26日、580億円相当の仮想通貨が取引所コインチェックから流出した。2018年は、コインチェック事件とその対応に明け暮れた1年だった。10位から4位の内容もほとんどが、コインチェック事件の影響によるものだと言って差し支えないだろう。
2位…ブロックチェーン、活用目指す動きは根強い
仮想通貨業界はぐらついているが、証券、海運などさまざまな業界でブロックチェーンを活用する動きは加速している。仮想通貨の定着の前に、別の分野からブロックチェーンのユースケースは増えていくかもしれない。
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