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アスキー腕時計人気ブランド図鑑 第3回

絶対に後悔しない腕時計選びのために──名門時計ブランド・その魅力と定番モデル

グランドセイコーとクオーツ、究極の精度と美しさを追求

2018年10月19日 19時00分更新

文● 渋谷ヤスヒト

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 世界が認める日本の名門時計ブランド、グランドセイコー。前回はその原点であるメカニカル(機械式)モデルを紹介しました。第3回となる今回は、腕時計の世界に精度革命を起こしたセイコーのクオーツ。その頂点でもある、世界で最もプレミアムなクオーツ、グランドセイコーのクオーツモデルの歴史と魅力、そして定番モデルを紹介します。

1969年12月に発売された世界初のクオーツ腕時計「セイコー クオーツ アストロン35SQ」。精度は日差±0.2秒、月差±5秒。18KYGケース。価格は税別45万円

ヒストリー:腕時計の世界に「革命」を起こした「セイコークオーツ」

 腕時計は腕から外しても正確に動き続けてくれるもの。誰もがそう思っています。でもそれは1970年代以降、クオーツ腕時計が実用化され、普及してからの「最近の常識」なのです。

 当時は携帯電話のない時代。ビジネスマンにとって、腕時計は「時間を守る」ために不可欠の道具。そして当時の腕時計は、「着けていないと止まってしまう」ものでした。当時の機械式腕時計は今のものよりパワーリザーブが短く、腕から外したら長くても48時間で止まってしまうのが普通でした。

 しかも一般的な機械式腕時計の1日の進み遅れは、プラスマイナス数十秒。そのため、ラジオやテレビの時報を使っての時刻合わせは、正確な時刻にこだわるビジネスマンにとって毎週月曜日の、あるいは毎朝の欠かせない「儀式」でした。

 しかしセイコーのクオーツ腕時計、1969年12月に発売された「セイコー クオーツ アストロン 35SQ」がこの常識を完全に過去のものとしました。

 ぜんまいの巻上げの必要はなく、1年以上は放置したままでも動き続けてくれる。しかも進み遅れは、1日でプラスマイナス0.2秒、1ヵ月でプラスマイナス5秒。その後に登場した普及価格のモデルでも月差プラスマイナス20秒前後。機械式より数十倍も高い精度を、それよりもずっと手頃な価格で実現しました。クオーツ腕時計の登場はまさに「革命」だったのです。

1988年にクオーツで復活したグランドセイコー「95GS」。厳選した水晶振動子を使い、「年差」±10秒というモデルを超える精度を実現するだけでなく、耐温度・湿度特性、耐衝撃性でも優れた性能を実現

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