Dual Pixel 3D Converterもやってみました
直線デザインでEOSの最新技術が投入されたお買得フルサイズカメラ=「EOS R8 Mark II」実写レビュー
2026年10月20日 00時01分更新
キヤノンからフルサイズミラーレス機「EOS R8 Mark II」が発売される。2023年に登場した「EOS R8」の後継機で、ラインナップ的には引き続きエントリーモデルに位置付けられる。
特徴としては従来の曲線的なボディーから、直線を基調としたデザインに変更されたこと。さらにボディー内手ブレ補正も搭載するなど基本性能も底上げされている。
キヤノンから試用機を借りたので、果たしてどのように進化したのか実機でチェックしてみた。
もう一つのキットは昨年11月に発売され大ヒットしたリーズナブルな大口径レンズ標準レンズ「RF45mm F1.2 STM」。価格は31万7900円で。こちらも個別購入より2万3100円お得。レンズの人気度と考えると破格値だ。
直線デザインにマルチコントローラー搭載
メディアがグリップ側になったのは大歓迎
ファインダー部や軍幹部の直線的な外観からは、どことなくFDマウント時代のキヤノン一眼レフを彷彿とさせる。ただイメージしたのは1987年に登場した「EOS」の初号機「EOS650」だったらしい。いずれにしろ懐かしい。
手ブレ補正を搭載したことでサイズは少しアップしている。特に厚みに関しては前モデルのスリムさが際立っていただけに、比べてしまうと差は感じてしまう。とはいえグリップ形状やシャッターボタンの角度の改良で、ホールド感はかえって向上したようにも感じる。
上面の操作系では電源スイッチと動画切換スイッチが統一され右肩に配置された。ただ使い始めは勢い余ってつい動画モードまで動いてしまうことが多々あった。この点は慣れが必要そうだ。
背面の操作系配置は前モデルに近いが、上位モデルに採用されている測距点やメニュー項目の移動がおこなうマルチコントローラーが新搭載された。表示系は3型162万ドットタッチパネルのフリーアングル背面液晶に、236万ドット倍率0.7倍のEVFと変わりはない。
バッテリーは前モデルと同じ「LP-E17」で、公称撮影可能枚数は約220枚(省電力優先設定でファインダー撮影時、モニター撮影時では約340枚)と少なめだ。
実際の撮影でもRAW+JPEGで216カット432枚撮影した時点でバッテリー切れ。出来れば予備を用意したいところ。なおPD出力対応のモバイルバッテリーならUSB給電もできた。また充電器は付属されずUSB端子でおこなうが、充電だけなら非PDの機器でも可能だった。
メディアもUHS-Ⅱ対応SDのシングルと変わらないが、スロットがグリップサイドに単独で配置された。前モデルはバッテリーと同室だったので、三脚使用時のメディア交換は断然しやすくなった。
2420万画素でEOSクオリティーの描画
電子シャッターは場合により1/8000止まり
撮像素子も変更は無く、2420万画素と現在のミドルからエントリーレベルのフルサイズ機としては標準的な解像度。初期設定の画質調整もシャープネスや発色を強調しすぎない自然な写りだ。
シャープ感は高くはないが、細部はしっかりと解像されている。使用レンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」。焦点距離50mm・絞りF8・シャッタースピード1/250秒・ISO100。
(以下設定は共通。JPEG最高画質・ピクチャースタイルオート・ホワイトバランスオート・オートライティングオプティマイザ標準)
今回はキットレンズになっている2本で試用させてもらった。まず「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」。開放F値は控えめだがズーム比のわりにコンパクト。撮影倍率はAFでは105mmで0.4倍、MFなら24mmで0.5倍とマクロにも強い万能なレンズだ。
「RF45mm F1.2 STM」はやはり開放時の柔らかい輪郭再現と大きなボケが魅力。ある程度絞ると整った写りにもなる。逆光ではハレーションを起こしやすいが、それも含め描写を楽しめるレンズ。
ただメカシャッターの最高速度が1/4000秒なので、明るい屋外では絞りF1.2だと露出オーバーになることも。電子シャッターでは最高1/16000 秒まで可能だが、プログラムと絞り優先では1/8000秒止まりと少し謎な仕様。またメカシャッターと電子シャッターとオートで切り替える機能も欲しいところ。
高感度特性も良好
手振れ補正はなかなか強力だ
高感度画質も変わらず常用最高ISO102400、拡張でISO25600まで設定が可能。改めて見るとISO6400~12800なら高感度を感じさせない画質で、ISO25600でも十分実用的。ISO51200を超えると解像感低下はあるが、気になるならRAWのAIノイズ処理に任せるといいだろう。
新たに搭載された手ブレ補正の効果は中央7.5段、周辺7段。実際に試してみると、手ブレ補正内蔵のRF24-105mm F4-7.1 IS STM」なら広角側遠景で2秒のスローシッターでもブレが目立たなかった。また手ブレ補正非搭載の「RF45mm F1.2 STM」でも遠景で1/2秒、近景1/4秒なら安全圏。なかなか強力な効果を実感することができた。
高速連写も電子シャッターで秒40コマと変わらないが、前モデルではRAW記録のみだったプリ連写がJPEGでも記録可能になった。画素数が控えめなぶん電子シャッターの動体歪みも少なく十分実用的だ。
このところのキヤノン機に搭載されている作画機能「カラーフィルター」も、ネガとポジそれぞれのフィルム調が加えられ全16種類に増えた。さらに効果量を10%刻みで調整する機能も追加されている。
全16種類の「カラーフィルター」を定点撮影で比較。左上からNegativeFilmtone・PositiveFilmtone・StoryTeal&Orange・StoryMagenta・StoryBlue・PaleTeal&Orange・RetroGreen・Sepiatone・AccentRed・TastyWarm・TastyCool・BrightAmber・BrightWhite・ClearLightBlue・ClearPurple・ClearAmber。
またシーンモードの「手持ち夜景」にも4種類の色調が用意され、雰囲気の異なる夜景が撮れる。いずれもJPEG専用でRAWでの同時記録もできないが、撮影後の調整無しでさまざまな色調を楽しめるのはお手軽だ。
メカシャッターの動作や音が少し上品さに欠け、オートパワーオフからの復帰ものんびりなど気になる点もあったが、機能や撮れる写真は上位モデルと遜色がなく、エントリーモデルよりもワンランク上のカメラといっていいだろう。
写真を撮るだけで3Dモデルが生成可能
「Dual Pixel 3D Converter」
「EOS R8 Mark II」と同時に発表されたPCソフト「Dual Pixel 3D Converter」が10月8日に公開されているので、こちらも簡単に紹介していこう。
「Dual Pixel 3D Converter」では「デュアルピクセル CMOS AF」搭載カメラと対応レンズ(対応製品は公式サイトに掲載されている)で撮影した静止画から、3Dモデルを生成することができる。数年前からCP+などの展示会でデモはおこなわれていたが、ついに正式にリリースされた。キヤノン公式サイトから無料でダウンロードでき、対応OSはWindows 11 (64bit) バージョン24H2以降のみになる。
初めはどうして静止画から3Dモデルができるのか不思議だったが、「デュアルピクセル CMOS AF」はすべての画素で位相差AFによる測距ができるので、その時の距離情報をもとに3D化しているらしい。まさにキヤノン独自の技術によるものといえるだろう。
3Dモデルを生成するためには撮影時に距離情報を付加する「DPRAW設定」をしたRAWで撮影する必要があるが、「EOS R8 Mark II」はJPEGでの記録も可能になっている。
また撮影方法も絞り値はF5.6より明るく感度はISO1600以下、被写体との距離は焦点距離の5~10倍を推奨など条件があり、最適な3Dモデル生成のためには少し慣れや工夫が必要そうだ。
とはいえ実際に3Dモデルに生成したデータには、静止画では見えていない側面部まで写っていて、距離情報だけでここまで生成されることに驚かされた。
ECサイトの製品紹介やメタバース上の作品制作など、アイデア次第でいろいろな可能性がありそうだ。興味がある人はぜひ試してみて欲しい。
「Dual Pixel 3D Converter」の画面。3Dモデル変換とサンプルのMP4動画の作成ができる。3Dモデル生成の機能としては背景の削除や表面テクスチャの差し替え、立体感の調整の3つのみとシンプル。
「Dual Pixel 3D Converter」のブラウズ画面には距離情報が付加された画像のみが表示される。撮影条件範囲外だと!マークや×マークが表示され、このマークにマウスを合わせると、範囲外の設定を表示してくれるのは何気に親切。
撮影する際は「DRRAW設定」をするに設定する。なおDRRAWは「Digital Photo Professional 」でしか現像ができず、ファイルサイズも大きく、電子シャッター不可などの機能制限もある。そのかわり解像感の微調整やゴーストの低減などを現像時におこなえる。
「EOS R8 Mark II」ではJPEGへの距離情報の付加ができるが、この際同時にDPRAWも記録される。ファイルサイズはDPRAWでは50MB前後だが、JPEGでは7MB以下と軽量。後々の作業を考えるとありがたい。ただ同じく撮影時の機能制限があり、書き込みも少し時間がかかる。
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