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Cooler Master最強空冷「HAF II 500」「V8 ACE 3DHP」「MasterFan A120」でどこまで冷える?

2026年09月04日 11時00分更新

文● KTU (加藤勝明) 編集●北村/ASCII

提供: Cooler Master

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CPUとGPUを全力で回す過酷なテスト

 今回はHAF II 500に組み込んだシステムが標準状態でどこまで冷えるか、そしてファン構成を変えることで冷却性能や静音性はどう変化するかを検証する。ベースラインとして、HAF II 500の前面・背面ファンを停止した状態のデータも取得している。

検証PC

検証PCのスペック
CPU AMD「Ryzen 9 9950X3D」 (16コア/32スレッド、最大5.7GHz)
CPUクーラー Cooler Master「V8 ACE 3DHP」
マザーボード ASRock「X870E Nova WiFi」(AMD X870E、BIOS 4.43)
メモリー Micron「CP2K32G64C40U5B」 (32GB×2、DDR5-6400)
ビデオカード ZOTAC「ZOTAC Gaming GeForce RTX 5080 SOLID」(RTX 5080、16GB GDDR7)
ストレージ Micron「CT1000P510SSD8-JP」(1TB M.2 SSD、PCIe Gen 5)
電源ユニット Cooler Master「Elite Platinum 1000W」(1000W、80 PLUS PLATINUM)
PCケース Cooler Master「HAF II 500」
ケースファン(追加) Cooler Master「MasterFan A120」×3(0〜2500rpm/ 76.9CFM)、 120mmファン×3(500〜2000rpm/ 73CFM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(25H2)

使用したCPUはハイエンドモデルのAMD Ryzen 9 9950X3D。TDP(熱設計電力)は170W。発熱量が多いので通常は水冷クーラーで冷却するCPUだ

マザーボードはASRockのX870E Nova WiFi。強力な20+2+1フェーズの電源設計により、Ryzenへ安定した電力を供給できる。最新のWi-Fi 7およびノイズ抑制機能を備えた5G LANポートを装備する。

ビデオカードは「ZOTAC Gaming GeForce RTX 5080 SOLID」。トリプルファンクーラー「IceStorm 3.0」による優れた冷却性能を誇る

電源ユニットはCooler Masterの「Elite Platinum 1000W」。最大92%の高効率を発揮する80 PLUS Platinum認証を取得。ATX 3.1とPCIe Gen 5.1に準拠し、近年の高性能ビデオカードへ安定した電力を供給する

 以下の表はファン構成をまとめたものだ。「前220mm x2」とはフロント220mmファンを2基、「天MF 120A x3」なら天井にMasterFan A120を3基という意味になる。「天120mm x3」なら比較用に準備した樹脂製120mmファン3基という意味だ。天井にファンを装着する場合、向きは全てケース内→外(排気)とした。また、背面180mmファンは全パターンにおいて動作させている。

ファンの構成(背面ファンは常に稼働)
1 前220mm x2/ 天なし(HAF II 500標準構成)
2 前220mm x2/ 天120mm x3
3 前220mm x2/ 天MF 120A x3
4 前MF 120A x3
5 背面のみ

 CPUの負荷は「CINEBENCH 2026」のマルチスレッドテストを、GPUの負荷は「FurMark 2」をフルHD解像度で約10分実行した。その際のCPU温度(Tctl/ Tdie)やファン回転数、GPU温度といった情報を「HWiNFO Pro」を用いて取得した。室温は約28度となる。

テストの様子。CINEBENCH 2026とFurMark 2を同時に動かし、その時のCPUやGPUなどの状態をHWiNFO Proで追跡した

CINEBENCH 2026+FurMark 2実行時のGPUホットスポット温度。背面のみのパターンのみが明確に温度が高く、それ以外のパターンはほぼ重なっており優劣はつけがたい

CINEBENCH 2026+FurMark 2実行時のGPUファンの回転数

CINEBENCH 2026+FurMark 2実行時のCPU温度(Tctl/ Tdie)

CINEBENCH 2026+FurMark 2実行時のCPUファン回転数(V8 ACE 3DHP)

CINEBENCH 2026+FurMark 2実行時のDDR5(SPD Hub)温度その1

CINEBENCH 2026+FurMark 2実行時のDDR5(SPD Hub)温度その2

 こうしてデータを見ると背面ファンのみ、つまりHAF II 500のフロントや天井ファンのない状態の温度が明確に高いが、他の4パターンについては温度に大きな違いは見られない。HAF II 500の場合吸気ファンが回転していることが非常に重要であり、フロントが220mm x2とMasterFan A120 x3の時で温度に差といえそうな差は観測できなかった。

 ただDDR5メモリーのSPD Hub温度だけは天井ファンの存在が重要で、天井ファンを排気に回すだけでDDR5モジュールの温度を1〜2度下げられることが確認できた。しかしMasterFan A120と普通のファンの差は、今回の検証では誤差レベルにとどまった。MasterFan A120の実力をさらに検証するには、もっと過酷な条件での検証が必要かもしれない。

 次のグラフはテスト後半、2分間の安定ゾーンでの計測値を平均したものである。

GPUホットスポット温度の高負荷時における平均値

GPUファン回転数の高負荷時における平均値

CPU温度(Tctl/ Tdie)の高負荷時における平均値

CPUファン回転数の高負荷時における平均値

DDR5(SPD Hub)温度の高負荷時における平均値

 平均値で見ても背面ファンのみを動かしたパターンにおいても温度が高く、GPUやCPUファンの回転数が高くなる。GPUやCPU温度に関しては天井ファンの存在はあまり優劣がないが、DDR5の温度に関しては明らかに天井ファンの存在が効いていることが分かる。HAF II 500であれば標準構成の220mm x2ファンをフロントに置いておけば、安心して空冷運用できるPCができるだろう。

 そしてRyzen 9 9950X3Dの発熱を80度以内に抑え込むことに成功したことからも、V8 ACE 3DHPの冷却性能は十分高いと言うことができる。

 最後に静音性をチェックしよう。騒音計「SL-1370」のマイク先端をHAF II 500のフロントから40cm、接地面より高さ20cmの位置に固定。アイドル時および高負荷時(テスト開始から5分経過後)のファンノイズを計測した。

ファンノイズ(dBA)
  アイドル時 高負荷時
前220mm x2/ 天なし 39.5 dBA 54.7 dBA
前220mm x2/ 天120mm x3 38.7 dBA 56.1 dBA
前220mm x2/ 天MF 120A x3 41.1 dBA 57.5 dBA
前MF 120A x3/天なし 39.7 dBA 55.6 dBA
背面のみ 35.9 dBA 51.9 dBA

 ファンが多くなるほど高負荷時のファンノイズも増える。天井ファン3基追加すればそれなりにノイズは増えるが、一番ギャップを感じたのはフロントにMasterFan A120を3基装着したパターンだ。ファンがこちらに向かって回るせいかファンの発するノイズがダイレクトに伝わる。HAF II 500の220mmファンは冷却力の割に静音性も高いといえるだろう。

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