誰もがAIサービスを日常的に使うようになり、またスマートグラスなど新しいウェアラブルデバイスが登場する中、スマートフォンの姿は今後どう変わっていくのだろうか? グーグルは今年のミラノデザインウィーク(イタリア)でイベントを開催。Googleのインダストリアルデザインチーム(Google ID)とスイスのローザンヌ芸術デザイン大学(ECAL)大学が提携し、同大学のプロダクトデザイン修士課程の学生たちが未来のスマートフォンのデザインを提案した。
「A Message From Tomorrow」と題された本展示は、4月21~25日にミラノ市内のイベントスペース「Spazio Orso 16」で開催された。現代の生活習慣に寄り添うデバイスのあり方や、人とテクノロジーの関係性の変化をテーマに、スマートフォンというハードウェアをどのように再解釈できるのかを問い直す試みだ。
ハードウェアデザインの新たな可能性を探るプロトタイプとして、Google IDとECALの共同プログラムから生まれた各作品を、会場で配られたパンフレットに掲載された製作者自身のステートメントとともに紹介しよう。
どこから見てもただの石!?
Stone Phone(ストーン・フォン)
Gunnar Kähler氏の作品は石をそのままスマートフォンにしたような形の「Stone Phone」だ。
Gunnar Kähler氏:海岸や川辺で石を拾うとき、私たちは本能的に持ち心地が良いと感じる形状のものを選びます。Stone Phoneはこの仕草から着想を得ており、古来の道具と、スマートフォンという洗練された日常のデバイスとの境界線を曖昧にしています。
工業的な均一性に挑戦するこのプロジェクトは、無限に多様な形状のスマートフォンを構想しています。それぞれのStone Phoneは、ユーザーが触れて心地よいと感じる形状や質感に基づいて選ばれることになります。
コードで発電できるスマホ
Rove(ローヴ)
Moritz Engel氏の「Rove」はコードを使って発電するというアイディアのスマートフォンである。
Moritz Engel氏:Roveは過酷な大自然(リモート・ウィルダネス)のための究極のツールであり、電力と私たちの関係を再定義するためにデザインされています。このオフグリッド(送電網から独立した)スマートフォンは、プルコード(引き紐)システムを特徴としており、1分間紐を引くことでフライホイール(弾み車)が回転し、軸方向磁束発電機(アキシャルフラックスジェネレーター)を介して20分間のバッテリー寿命を生成します。
ダイニーマ製のコードは多用途なキャリングストラップとしても機能し、スプール(巻き取り部)には触覚的なコントロールホイールが組み込まれています。陽極酸化アルミニウム製でグローブ対応のボタンを備え、再生ポリカーボネートのシェルで構築されたRoveは、耐久性と完全なエネルギー自立を兼ね備えています。
置き時計のようにも見えるスマホ
Totem(トーテム)
Paul Quentin氏はスマートフォンの形状を板状からわずかに変えることで、新たな情報デバイスになる「Totem」をデザインした。
Paul Quentin氏:Totemはスマートフォンに統合された各機能のあり方を再考するプロジェクトです。多くの道具がスマートフォンに集約されてきましたが、それらは依然として硬い「板(スラブ)」というフォームファクタの制約を受けています。このプロジェクトでは、デバイスをくさび型(三角柱)に変形させることで、卓上にさりげなく置けるオブジェクトとして機能させます。
横向きに置くと、Totemはビデオ通話やメディア視聴、AIアシスタントをサポートします。平らに置いたときは、その傾斜したエッジが控えめな通知インターフェースになります。
ディスプレーが透けてる!?
Liminal Frame(リミナル・フレーム)
「Liminal Frame」は空間に溶け込むデバイスとしてLee Ehrat氏が生み出した。
Lee Ehrat氏:Liminal Frameは、物理的な世界に溶け込むようにデザインされたスマートフォンです。4層のディスプレーがデジタルコンテンツに物理的な奥行きを与えます。必要なときには不透明に、周囲と相互作用するときには透明になります。ウェアラブルデバイスを必要としない空間コンピューティングを可能にします。
スマートフォン越しに世界を見渡したり、空間に情報をピン留め(固定)したりして、あとからその情報に戻ることができます。時刻表やノート、ヒントは必要なときにだけ表示され、スマートフォンを単に見つめるための画面ではなく、世界への窓へと変えます。
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