米AMDは2026年7月22日、米国エネルギー省(DOE)が主導する国家プロジェクト「ジェネシス・ミッション」(Genesis Mission:科学研究や技術開発を飛躍的に加速させるためにAIを活用するアメリカの巨大国家プロジェクト)に向け、次世代スーパーコンピューター「Lux」および「Discovery」の構築を支援すると発表した。
ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)と人工知能(AI)、科学データを統合し、エネルギー、材料科学、医療、先進製造業、国家安全保障などの最重要分野における研究開発を飛躍的に加速させる狙いだ。
第一弾プラットフォーム「Lux」が2026年10月に始動
オークリッジ国立研究所(ORNL)にて建設が進むスーパーコンピューター「Lux」は、ジェネシス・ミッションにおいて最初に運用を開始するプラットフォームとなる予定だ。2026年10月より公的資金を受ける研究プロジェクトを対象に実用運用が開始される。
Luxのアーキテクチャには、最新の「AMD Instinct MI355X GPU」をはじめ、「AMD EPYC CPU」、そして「AMD Pensando」ネットワーク技術が採用されている。従来のシミュレーション技術とクラウドネイティブなAIツールをスムーズに融合させ、自律型研究所やデジタルツイン、オープンなモデル開発、さらには将来的な量子コンピューティングとの統合までを見据えた包括的なワークフローを支える。
次世代フラッグシップ「Discovery」への展望
Luxの展開に続き、DOE、オークリッジ国立研究所、およびHPE(Hewlett Packard Enterprise)との共同開発のもと、さらなる超大型エクサスケールシステム「Discovery」の構築も計画されている。
Discoveryは、次世代の「第6世代 AMD EPYC プロセッサ」や「AMD Instinct MI430X GPU」を搭載し、ネイティブなFP64(64ビット浮動小数点数)精度を備えることで、超高精度な科学シミュレーションとAIの融合を実現する。長期的に米国の先端科学技術を支える基盤として位置づけられている。
研究のタイムラグを劇的に短縮
これまでもAMDの技術は、世界初のエクサスケール・スーパーコンピューター「Frontier」などを通じて科学界に貢献してきた。例えば、植物画像解析のプロセスを従来の168時間から1分未満へ縮小させるなど、圧倒的な処理能力の実績がある。
今回のジェネシス・ミッションでは、全米の国立研究所、産業界、学術機関が単一の統合研究プラットフォームを共有することで、データ分析からAIによる知見の抽出までのタイムラグを劇的に短縮することを目指している。
AMDの戦略的技術パートナーシップ&パブリックポリシー担当シニアバイスプレジデントであるトーマス・ザカリア(Thomas Zacharia)氏は、「AMDはジェネシス・ミッションという国家のビジョンを、現実の運用可能な科学プラットフォームへと昇華させている。シミュレーション、AI、データワークフローを高度に統合するオープンプラットフォームを提供し、米国の次世代科学を支えていく」と強い意欲を示した。
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