ソニー「FE 100-400mm F4.5 GM OSS」
デカいのに軽い! ソニー新型望遠レンズの逆光でも優れた再現性をレース現場でガチ検証
2026年07月21日 12時00分更新
前モデルから完全別物へ!
F4.5固定化とインナーズームがもたらした驚きの軽さ
6月5日に発売されたソニーのEマウント用望遠レンズ「FE 100-400mm F4.5 GM OSS(SEL100400MC)」。前モデルの「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」の後継機種という位置付けだが、まったく別物になっていた。価格はソニーストアで72万6000円。
上の写真でもわかるように、サイズも口径もかなり大きくなっている。まず全長だが、前モデルはズーム方式が繰り出し式だったが、今回はインナーズームに変更されため、最大径119.8×長さ328mmと全長が伸びている(前モデルは93.9×205mm)。口径に関しても、前モデルのF値が4.5-5.6の可変式だったが、今回はF4.5の固定になったため大型化された。
見た目からかなり重そうに思えるのだが、重さは約1.8kgと、持ってみるとその軽さに驚かされる。ここまで違うと、後継機種と言うより全然違うモデルと言っても過言ではないだろう。
まつ毛までシャープに描く解像力と単焦点級のボケ味
肝心のレンズ性能だが、これも大きく進化した。今回は、6月21日に行なわれた「2026 MFJ全日本選手権ロードレース選手権シリーズ 第4戦 筑波大会」を撮影の場に選んだ。
上の2枚はGP3クラスに参戦している岡崎静夏選手のポートレートだが、描写力が格段に上がっていると感じた。前モデルもかなり高水準の性能だったが、口径を大きくしたことで再現性が大幅に上がっているようだ。
作例1は300mm前後で、絞りは開放値で撮影しているのだが、ピントの芯ではまつ毛が1本1本見えるほどシャープだが首から後方はボケ始めている。このボケ味は、単焦点レンズに近い水準にあると言える。
作例2を見るとヘルメットのフチに合いがちなピントも、奥の瞳を捉えている。大口径となり集光性が上がったせいか、オートフォーカスに関してもかなり助力しているようだ。
4隅まで破綻なし!
α9IIIの高画質を活かしきる大口径のポテンシャル
先ほど描写力が上がったことに触れたが、以下の作例3を見るとよりはっきりするだろう。
カメラは「α9 III」を使用し、画質はエキストラファイン。この設定で撮影しているのだが、データ量の多い画像に対しても大きく進化している。20台以上のオートバイが写されているスタート写真でも、画像に破綻している部分が見受けられない。4隅まで画像が引っ張られることなく、正確に表現されていているのは見事だ。
1.4倍テレコン装着でも画質劣化を感じさせない再現性
400mmでは長さが足りないことを想定して、1.4xテレコンバーターを使用してみた。作例4と5は400mmに設定し、1.4倍の560mmで撮影された作品だ。
どちらもテレコンバーターを使用したとは思えないほど、画質の劣化は見られない。鉄、ゴム、グラスファイバー、マテリアルそれぞれがそのまま写っている。しかも丸いものは丸く、角張ったものはエッジが立っている。表現者としてはとても大切な部分だけに、ここまでの再現性があれば安心して使える。
苦手な「遠ざかる被写体」も完璧に追従!
テレコンの悪条件を跳ね返す爆速AF
オートフォーカス性能も改善されている。オートフォーカスの演算は、近づいて来るモノには強いが、遠ざかる物を追うのは苦手だ。上の作例4を見ると、しっかり追従している。マフラーの向こう側にある「docomo Business」のロゴもはっきりわかる。しかも、テレコンバータをつけているので、条件としてはかなり悪いはずなのにだ。
この条件下でこの作品を撮れたことは、100-400mmとテレコンバーターの相性が良いと言う証明であり、これなら安心して使用することができそうだ。
猛暑の逆光&カゲロウをねじ伏せる!
過酷な環境で見えるGマスターの真価
最後に逆光での性能に触れておこう。作例6は曇りの逆光。湿度の高い現場であることは、膝やタイヤ近辺を見ればお分かりいただけると思う。
カゲロウが出るほどの環境でここまで再現できているのは、レンズ自体の素性が良い証明だ。作例7は晴れた時の逆光写真。逆光の中、あえて黒いマシンでその再現性を試してみた。結果は見ての通り。かなりきつい逆光でも優れた再現性と、オートフォーカスの精度の高さを感じることができた。もちろん順光時に比べれば、フォーカスの確率は落ちてしまうが、不満のないレベルであることは間違いない。
筑波サーキットで2日間検証した結果、Gマスターの名に恥じない優れたレンズであることが実感できた。前モデルに比べてサイズアップしているが、重さを含めた操作性に不満を感じることはなかった。
ファインダーを除いた瞬間から、「このレンズは良い」と言う予感通りの作品が仕上がった。まるで新しいオモチャを手にしたようなワクワク感があり、撮影することの楽しみをあらためて感じさせてくれるようなレンズだった。
■筆者紹介───折原弘之
1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。
■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー
■写真展
The Edge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン
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