製品選びでの活用が広がるAI
インフルエンサーのレビューより、AIのアドバイスに従う時代!?
「今年のプラットフォームの攻めは全体的に地味だ」――中国のメディアを見ても中国人の声を拾ってもそんな声ばかりだ。確かに派手な演出やライブコマースの話題は減った。中国人が、ノリでなんでもかんでも爆買いするという過去のお祭りムードはなくなった。
とは言え、消費額が大きく減ったわけではない。本当に欲しいちょっと高いものを買うようになったとも報じられている。たとえば、Z世代の消費者の約4分の1が、618セール期間中に普段は買わないような商品を購入した。つまり欲しい商品をショッピングカートに入れておき、より適切な価格になるのを待っていたという報道がある。
またデジタルではないが、こんなニュースも見かけた。AIがZ世代の美容消費を支援するツールとして広く使われるようになり、少し前の消費者がインフルエンサーの意見に影響を受けていたのに対し、最近では自ら成分をチェックし、AIに「購入前の下調べ」を任せるようになったという。デジタル製品もまた、スペックとコスパだけで判断していたきらいがあるが、AIがアドバイスする時代がやってきていてもおかしくない。
日本語でのAI検索が使えると中国ECサイトがより身近に
越境ECがこれまで以上にブームになるかもしれない
他方、中国語に不慣れな外国人消費者にとっては、今回のAI対話型ショッピング機能はまさに「待ってました」というアップデートだ。言葉の壁が取り払われ、中国の巨大EC市場がぐっと身近になった。618セールはもはや中国人だけの祭りではなく、日本語さえあれば誰でも参加できる、
真にグローバルなショッピングフェスへと変貌しつつある。来年はさらに多くの言語や機能が追加されることを期待して、私は今日もQiwenに「今月発売されたデジタル商品」や「最近話題の日本発の商品」などと日本語で尋ねている。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で、一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立」、「中国のITは新型コロナウイルスにどのように反撃したのか? 中国式災害対策技術読本」(星海社新書)、「中国S級B級論 発展途上と最先端が混在する国」(さくら舎)、「移民時代の異国飯」(星海社新書)などを執筆。最新著作は「異国飯100倍お楽しみマニュアル ご近所で世界に出会う本」(星海社新書、Amazon.co.jpへのリンク)
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