パナソニックは6月9日、5月に発表したテレビ新製品のメディア向け体験会を開催した。同社は5月14日に、2026年の新ラインアップを発表したばかり。紹介された製品は、6月下旬から順次出荷される計画だ。
高画質化が進んだ有機ELテレビ
テレビ全体戦略としては、変わらず有機ELをフラッグシップに位置付けるが、Mini-LEDバックライトを搭載した液晶テレビのラインアップを大きく拡充。中価格帯機種の選択肢を増やした点がポイントとなる。
有機ELテレビの「Z95C」(7月下旬発売)はZ95Bの後継機種。発光効率と開口構造を改善した新世代の「プライマリーRGBタンデム」を取り入れている。
このZ95Cは65インチと55インチの2サイズ展開。実売価格は60万円/45万円前後になる見込み。第4世代の有機ELパネル技術とも言われる「プライマリーRGBタンデム」を搭載。タンデムとは有機ELの発光層を2つ以上重ねたパネルとなるが、プライマリーRGBタンデムでは従来の青・黄・青の3層から、赤・青・緑・青の4層を使用。RGBの各色で発光することでピーク輝度と色純度の向上を図る技術だ。
Z95Cではさらに「低反射ブラックフィルターPRO」の採用で、映り込みを低減しているほか、横に並べたラインアレイスピーカーとサイドスピーカー、イネーブルドスピーカーを組み合わせたマルチスピーカーシステムを搭載。Dolby Atmosと音場モードシアターによって、サウンドバーなしでも迫力のある音響が楽しめ、画面の高さに合った音の再現にも取り組んでいる。
Mini-LEDバックライト搭載の液晶テレビをアピール
Mini-LEDバックライト搭載の製品は3シリーズ展開。最上位はQD Mini-LEDバックライトの「Bright Black Panel Ultra」を採用した「W97C」シリーズ(7月下旬発売)で75インチ/65インチ/55インチの3サイズ展開。実売価格は44万円/36万円/29万円前後になる見込み。
高輝度Mini-LEDバックライトに量子ドット、高輝度・高視野角シートを採用した「Bright Black Panel Ultra」パネルは、2025年モデルの「W95B」シリーズに対してピーク輝度が2倍にアップ。パネル制御も改善しており、「Wエリア制御 Ultra」ではバックライトの分割数が従来比で2倍細かくなった。
注目したいのは暗い領域の制御。「ミニマムルミナンスコントロール」と呼ばれる段階制御で、高コントラスト化を実現している点。これは後述する2シリーズを含め、2026年のMini-LEDバックライト搭載機すべてが採用している。簡単に言うと暗部領域の階調性を微細な制御で、「黒の限界に挑む」細かな再現を可能にする技術。「真の美しさは、黒の中に宿る」という画づくりの面のコンセプトを体現すると同時に、バックライトを細かく制御できるMini-LEDパネルの持ち味を存分に示すものでもある。
このW97Cは上方向に10W+10Wのイネーブルドスピーカー、下部に10W+10Wのスピーカーと、15W+15Wのウーファーを備えた合計70Wの出力を備えており、「フロントファイアリングエミュレーター」によって、映像と一体感のある立体的な音の再現にもこだわっている。
「Bright Black Panel」搭載の中核モデルの「W95C」シリーズ(6月下旬発売)は、75インチ/65インチ/55インチ/50インチ/43インチと画面サイズのバリエーションも豊富だ。実売価格は36万円/30万円/23万円/22.5万円/20万円前後になる見込みだ。Bright Black Panelは量子ドットが省かれたタイプのMini-LEDバックライト採用パネルとなり、スピーカーは15W+15Wのフルレンジスピーカーと20Wのウーファーを備えた50Wとなっている。
「Black Panel」搭載でエントリークラスの「W93C」シリーズ(7月下旬発売)は50インチと43インチの2サイズ展開で、実売価格は24万円/20万円前後。高視野角シートも省き、スピーカーは15W+15Wの30Wだ。
なお、Mini-LEDバックライトではないが、4K液晶テレビのスタンダードモデルとして50インチと43インチが選べる「W80C」(6月下旬発売)も実売価格15万円/13万円前後で用意されている。
紹介された全機種がAmazonのFire TVを搭載。Amazonが4月に発表した新UIは本機でも利用できるようになる見込みだ。ドラマ、映画、アニメなどジャンル別にコンテンツがピックアップされ、アプリや設定メニューへのアクセスもしやすくなるなど、全般的な改善を果たしている。Alexaに話しかけるとリモコンのブザーが鳴る「さがせるリモコン」機能も利用可能となっている。
また、Bluetoothの次世代規格であるAuracastにも対応。従来のBluetoothのような1対1の接続ではなく、1対多の接続を実現する規格であるため、対応するヘッドホンを使用すれば子供が寝た深夜に夫婦で、あるいは耳が少し悪くなった両親と一緒にヘッドホンを付けて音を楽しむことも可能だ。ゲーム関連では、ゲーム用音声にレースモード(従来はRPGとFPSモードのみ)を加えたほか、VRRの画質もアップ。分割駆動対応で、144Hzの高速なシーンでもコントラストが向上する。
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