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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第863回

銅配線はなぜ限界なのか? ルテニウムへの移行で変わる半導体製造の常識と課題

2026年02月16日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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GAAからCFETへ、配線革命の「現在地」と「課題」

 次は層間配線である。セミ・ダマシンを利用することで、Ruを利用した層間配線の構築そのものは容易であるとされている。

図cの段階でRuの上を削る必要がないので、製造が容易である

 層間配線に関してもいろいろ提案されており、例えばTopviaを構築する方法ですでに構築した例も示されている。

Topviaを構築する方法。上と下の違いはAirgapを設けるか否かである

構築した例。突き出している部分がTopviaとなる。Airgapが重要というのはこの後出てくる

 この構造が従来と異なるのは、上の層を構築する際にAirgapを破壊する心配がない点にある、とされている。

これは逆に言えばどこまで正確に重ねて構築できるかという話だが、IBMが提案する方式の方がAirgapに影響をおよぼさないので安心である

 配線間の容量は、従来の製法からAirgapにすることで23%の削減となり、動作周波数という観点で言えばより少ない消費電力で1.22倍の高速性能を実現できるとされている。

Airgapにすると配線間の容量は23%削減される。low-K材料で埋める場合も、一度キレイにして新しい材料で埋める方が特性が向上するが、Airgapを使うとさらに改善する

より少ない消費電力で1.22倍の高速性能を実現。配線が動作周波数におよぼす影響の大きさがわかるという話でもある。トランジスタは1nmのナノスタックFETを利用してRing Oscillatorを構築したケースのシミュレーションデータだそうだ

 抵抗値と容量の違いを見たのが下の画像であり、ラフに言えば容量の削減の方が効果として大きいことが理解できる。さらにGougingという技法を使うと容量を減らせることも確認されている。

抵抗値と容量の違い。横軸は抵抗、縦軸が容量となる。一番抵抗が少ないのはLow-k Fillで、Airgapならわずかに抵抗は増えるが、それでも容量が大きく減るのでトータルではAirgapが一番効果的となる

Gougingという技法を使い、Ru配線の下までAirgapを広げるとさらに効果的だ

 長期信頼性としては、Ruで構築した配線層の上に銅配線層を重ねて長時間稼働をさせたところ、銅配線の方にエレクトロマイグレーションに起因する空所が発生した(つまりRu配線の方は問題なし)としており、高温環境下での耐久試験でもそれなりの信頼性が確保できていることが示されている。

銅配線層を重ねて長時間稼働をさせたところ。では何層までRuで配線を構築する必要があるのか? という疑問につながるわけで、これらをまだ詰める必要があるだろう

高温環境下での耐久試験の結果。中央は330度環境での加速試験、右は100度での試験の結果である

 最後に結論として、現在の銅配線で問題になっているさまざまな問題はRuに切り替えることで克服可能であることを示している。

現在の課題は全部解決できているし、製造への実現可能性はだいぶ高くなった

 とはいえ先に説明したように、TiNなどを広範に使う必要があり、アスペクト比を高めようとすると高コストになるというあたり、まだ課題がある。現在のRibbon FET世代はもちろんのこと、次のCFETの世代でも間に合うかどうか、という感じかと思われる。

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