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“止められない”工場やインフラ施設を守る OTセキュリティの第一歩

三菱電機のNozomi Networks買収は業界に一石を投じるか

OTセキュリティベンダー5選 ネットワーク系ベンダー vs 専業ベンダーで群雄割拠

2026年02月12日 11時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 “絶対に止められない”工場やインフラ施設を守る「OTセキュリティ」について整理する本連載。前回は、ITセキュリティとの違いや主要なソリューションについてまとめた。

 今回は、OTセキュリティを提供する主なベンダーを紹介する。IT領域を含むネットワークセキュリティを主軸とする「フォーティネット」「パロアルトネットワークス」と、OTに特化した「TXOne Networks」「OPSWAT」「Nozomi Networks」の5社だ。

フォーティネット:IT&OT融合時代の統合防御を実現

 まず紹介するのが、国内で長く存在感を示してきたフォーティネット(Fortinet)だ。ITで培われたセキュリティソリューションが、OTにも展開されている。

 同社の最大の特徴は、統合基盤「Security Fabric」によって、IT・OTを横断する包括的セキュリティを実現できる点だ。企業ネットワーク全体で資産や脅威が可視化され、検知から対応までを自動化してダウンタイムを最小化する。オペレーションシステム「FortiOS」でセキュリティ管理が共通化されるのも、ITとOTの融合が進む中での優位点となる。

 構成するソリューションをみると、OT資産を可視化・制御する「FortiNAC」、境界防御やマイクロセグメンテーション、仮想パッチなどを担う「FortiGate(次世代ファイアウォール)」、攻撃者を偽(おとり)のOT資産に誘導して検知や防御を行う「FortiDeceptor」まで、OTセキュリティに必要な機能を網羅する。次世代ファイアウォールやスイッチなどでは、耐環境性能が高い産業用ハードウェアの「Rugged」シリーズも用意される。

 また、前回紹介した経産省の「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」に基づくコンサルティングもパートナー企業と共に提供する。工場のセキュリティ対策のレベルを最短15分で判定するWeb診断も無償公開中だ。

TXOne Networks:可視化の先の“アクション”までを提示

 次に取り上げるのは、OTセキュリティの専業ベンダーであるTXOne Networksだ。同社は、トレンドマイクロと産業用ネットワーク機器を手掛けるMoxaの合弁会社として、2019年に台湾で設立。日本でも2022年よりビジネスを始めている。

 OT向けのソリューションとしては、エアギャップ環境の端末や持ち込み機器の検査を効率化する「Elementシリーズ」から、アンチウィルスやロックダウン、ふるまい検知などを備えたエンドポイント保護の「Stellarシリーズ」、そして、OTネットワークの監視・防御のための「Edgeシリーズ」まで幅広く展開する。そして、これらソリューションを含むOTセキュリティの統合管理は「SenninOne(旧SageOne)」プラットフォームが担う。

 2026年第2四半期には、SenninOneと連携するIDSアプライアンス「SenninRecon(センニン・リコン)」を国内投入する予定だ。SenninReconが、OT環境に負荷を与えない非侵襲的なネットワークセンサーとして、OT資産やその脆弱性、ネットワーク構成までを可視化。さらに、SenninOneとの連携で、アセスメントレポートやセキュリティプランといった、可視化の先の“アクション”までが生成されるのが特徴だ。

SenninReconが収集した情報をSenninOneで可視化する様子(OT Security Leader's Summit 2025より)

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