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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第951回

年の瀬の我が家に兄妹猫がやってきたのでソニー「α7C II」やiPhone 17で撮りまくった話

2025年12月18日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

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年末、我が家にやってきた2匹の子猫。黒い方が雌、キジトラの方が雄。生後約5ヵ月の保護猫だ。2025年12月 ソニー α7C II

 年末も押し迫っていきなり寒波もやってきた本日、我が家に猫がやってきたのである。約5ヵ月の兄妹猫。突然の展開にびっくり。しかも、初の譲渡会からの猫。

ケージに入れられたばかりできょとんとしてる2匹。2025年12月 アップル iPhone 17 Pro

 そもそもの発端は11月末。近所の商店街に「保護ねこの譲渡会」ポスターが貼られているのを見つけ、ランチついでに覗いてみた。今後、譲渡会経由で猫を引き取ることもあるだろうから、どんなものか知っておこうというくらいの軽い気持ちで会場へ行くと、布をかけられたケージがずらりと並んでおり(猫が怖がらないよういつでも布で隠せるようにしてあるのだ)、その中に猫たちが1~2匹ずつ収まっていて、それぞれの猫を一時的に保護している譲渡会のメンバーがどんな猫なのか教えてくれる。

 和気あいあいとした雰囲気で、猫たちは人に慣れていて愛想良くしてるものあり、ちょっと怯えて奥に引っ込んでいるものあり、時には抱っこさせてくれる猫もあり。

 一緒にいった妻も約5ヵ月の黒猫を抱っこさせてもらって喜んでたので、まあ、ペットロスを和らげるにはよかったかなと思いつつ辞去したわけである。

譲渡会にて。ここで黒猫を抱っこさせてもらったのがはじまりなのだった。2025年11月 アップル iPhone 17 Pro

 だがしかし、その数日後にあの黒猫が気になると言い出したのだ。抱っこの力、おそろしや。その黒猫はキジトラとの兄妹なので、引き取るなら兄妹一緒がいいということで申し込んでみることに。予想外の展開だ。

 譲渡の流れとしては、簡単なアンケートとともに、まずはトライアルをその保護猫団体(今回はチームSLPという世田谷区を中心に活動するボランティアグループ)に申し込み、互いに必要な事項をやりとりして、まずはトライアルとなる。

 トライアル期間内に、やっぱりダメとなればお返しするし(そういうケースもあるそうな)、そのまま家族として迎え入れるとなると正式な譲渡手続きに入る。本日はそのトライアルの初日なのだ。

 SNSを見ていると、保護猫は譲渡条件が厳しいという声を聞くのでちょっとドキドキする。今までは知人・友人経由で里親になってほしいと言われて迎え入れていたから、こちらからお願いするのってはじめてなのだ。

 確かに条件はある。高齢者のみは不可であるとか、日中に人がいない環境は不可とかその他もろもろだが、人と人とのやりとりなので相手がどんな人かわからないと不安というのはよくわかる。

 そしてケージを借りて準備をし、猫を育ててくれた方と、チームSLPの代表の方が2人で猫を連れてきてくれたわけである。SNSでは自宅まで来られるのがイヤという声もあるが、こちらとしては譲渡してくれて(正確にはまだトライアルだけど)ありがとうという気持ちだし、わざわざ猫を届けにきてくれると思えば気にならないわけで、歓待する。

 まず部屋に設置したケージに2匹をおさめ、手続きの詳細などを伺いつつ猫談議。

ケージの一番上でいきなり重なり合ってる2匹。これはすぐ慣れてくれそうだ、とこのときは思ってた。2025年12月 ソニー α7C II

 話を伺うと、どうも劣悪な環境にいた大勢の子猫の中の2匹ということらしい。5ヵ月ほど大事に育ててきた猫で、お気に入りのおもちゃや食べ慣れたフードなども持ってきてくれる。

 猫たちも兄弟一緒で安心してるのか、いい感じである。だがしかし、人なつこく、ケージに手を入れると自由に撫でさせてくれるのだが、いざ猫ボランティアの2人が帰ると、知らない場所で見知らぬ人間しかいない、いったいどういうことだ? って顔になって、隅っこに引っ込んで動かなくなってしまった。

 黒猫の方はケージ内に設置したトイレの裏でうずくまってしまったのだ……。

トイレ(手前のオレンジ色)の奥の隙間に入って不安げな黒猫。知ってる人がいなくなって「ここはどこ? わたしはだれ?」状態に。2025年12月 ソニー α7C II

 見知らぬ場所で警戒心MAX状態に。なので無理に抱き上げたり遊ぼうとせず、ゆっくり慣れるのを待つことにする。やがて数時間経って夜も更けてくると、ちょっと様子が変わってくる。今までフリーズしていた2匹が、がさごそと動き始めてくれたのだ。

ケージの隙間から撮影。ケージの中を探検しはじめた。2025年12月 ソニー α7C II

 よかったよかった。しかも、おもちゃを差し出すと遊んでくれる。

猫じゃらしを隙間から入れたらいきなりじゃれついてくれた黒い方。2025年12月 ソニー α7C II

 冒頭写真もそのときのもの。ちょっと慣れたら今度はケージから出してくれとばかりに鳴き始める。でも、ここで出しては大変なことになるのがわかってる。確実にどこかへ隠れようとし、あらぬところに潜り込んで見つからなくなるのだ。

 特に黒い猫は行方不明になりがち……というのはミルのときに十分学んだのである。

 何しろ少しは慣れてきたものの、まだわたしが近づくと警戒して身を引く。今後は我々が飼い主なのだとわかるまで無理をしちゃいけない。そして、これを書いている今、2匹並んでじっと様子を見てるのであった。

2匹が仲良く並んでたくれたので、ケージと一緒に。兄妹猫は初めてなので、これからが楽しみである。2025年12月 ソニー α7C II

 なお、2匹の名前はまだ決まってない。今までで一番悩んでいる。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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