公正取引委員会は12月9日、ライブ配信者をマネジメントする「ライバー事務所」4社に対し、独占禁止法に抵触するおそれがあるとして注意を出した。対象となったのは、AEGIS GROUP、Colors、321、WASABIの4社で、いずれもDeNAが運営するライブ配信プラットフォーム「Pococha」で取引実績を持つ事務所。
問題視されたのは、各社が所属ライバーとのマネジメント契約に盛り込んでいた制限だ。契約終了後にも、ライブ配信活動の禁止、他事務所との契約禁止、自社と同種事業の禁止といった規定を課していた事実が確認され、合理的な理由がないままライバーの移籍や独立を牽制する効果が生じていたとされる。
これにより、人気ライバーの獲得を狙う他の事務所が不利な立場に置かれたり、契約を終えたライバーが新たに事務所を立ち上げる道が狭まったりする可能性が指摘され、公正な競争を阻害するおそれがあると判断された。
独占禁止法19条は、不公正な取引方法を禁じており、拘束条件付取引や競争者への取引妨害につながる行為は問題となる。今回の注意は違反の認定ではなく未然防止を目的とする措置だが、4社はいずれも問題となった契約内容を見直す意向を示したという。













