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AMDが2025年を総括するイベントを秋葉原で開催! 「AMD FAN FES 2025」イベントレポート

2025年12月10日 10時00分更新

文● 佐藤ぽん 編集●北村/ASCII

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 AMDは2025年12月6日(土)、2025年を締めくくる年末ファンイベント「AMD FAN FES 2025 in AKIBA」を開催した。会場はLIFORK秋葉原II。

AMD FAN FES 2025 in AKIBA

 13時からスタートしたこのイベントは、前半がステージセッション、後半がゲストを招いた座談会の二部構成で行なわれた。司会はAMDの佐藤美明氏で、アシスタントはタレントの鈴木咲さん。場内は開演前大勢の来場者が訪れ、AMDファンの熱気に包まれていた。

AMDの佐藤美明氏

アシスタントの鈴木咲さん

会場は自作PCイベントでおなじみのLIFORK秋葉原II

場内後方は展示スペース。実際に手で触れて製品を確かめられた

 定刻通りイベントが始まると、まずはAMD佐藤氏によるトークショー「2025 AMD製品振り返り」がスタート。冒頭の挨拶で、12月5日に発売されたばかりの製品「AMD Ryzen 5 9500F」を紹介した。

 佐藤氏は「手軽に9000シリーズを手に入れられる製品を用意しました」と語り、同価格帯の競合製品「Core i5 14600KF」との性能差をグラフで紹介した。ゲームを用いたベンチマークでは4~10%アップの結果だった。さらに「Core Ultra 5 245KF」との比較を表したグラフでは、9~22%の性能向上が示された。

「Socket AM5なのでサポートが長い。Ryzenを使ってみたいと思っている人が気軽に手を出せる、とてもよいCPUです」と佐藤氏は語った

 トークショーの本題に入り、佐藤氏が2025年を振り返る。まっさきに挙げた出来事は日本のAMDが50周年を迎えたこと。そして、東京ゲームショウ2025の試遊機でAMDのシェアが大幅に上がったことだった。東京ゲームショウに関しては、「紅の砂漠」のブースにAMD Ryzen+Radeon搭載PCが100台も稼働していたそうだ。

日本のAMDが50周年。東京ゲームショウ2025の試遊機でAMDのシェアが大幅に上がった。と佐藤氏が2025年を振り返った

 続いての2025年のトピックは、年に2回更新されるスーパーコンピューターランキングについて。11月に更新された最新ランキングで、AMD勢が1位、2位、6位、9位にランクインされた話題を紹介した。

スパコンの分野でAMDが強い理由は、AMDの製品は広い範囲で応用が効くように作られているためらしい。「これが競合メーカーよりも強い理由」と佐藤氏

 そして個人向け製品で2025年に印象深かったことについて佐藤氏が紹介したのは、3月に発売されたCPU「Ryzen 9 9950X3D」。9000シリーズのCPUは、ゲーム特化型ではなく全方位で最強のCPU。佐藤氏は「AMDのCPUはどの処理をさせても強力です! 今後、メディアの方は“ゲーム用CPU”と書かないでいただきたいです(笑)」と語っていた。

 その発言を裏付けるように「Core i9 285K」と比較したグラフを紹介。ゲーム性能でもクリエイティブツール性能でも勝っていた。佐藤氏は「いまはハードウェアに詳しいクリエイターほどRyzenを使っている。これは流行りではなく実績。特に(エンコードやレンダリングなどで)CPUをずっと回し続けるとき、Ryzenのほうが安定しているから選ばれている」とコメントした。

Adobe PhotoshopやPremiere、DaVinci Resolve、Blenderなどクリエイティブツールの性能を、Core i9 285Kと比較したグラフ。Ryzen 9 9950X3Dのほうが優れた結果が示されていた

 次に紹介したのはCPU「Ryzen 7 9800X3D」。佐藤氏は「今年ものすごく売れました! 某価格ランキングサイトでずーーーっと1位をキープしていた」と紹介。同時にコスパが高い「Ryzen 7 9700X」については「TDPが65Wなのに性能が高い。もちろん上位機種にはかなわないが、バランスがいい商品。宣伝してないのに安定的に売れてくれる製品」とベタ褒めだった。

 今年、PCゲームファンにAMDが選ばれた理由について佐藤氏は、「ゲーム中にストレスを感じにくいため」と分析。スクリーンに映し出された計測結果のグラフは、最高・平均FPSだけでなく、“1% Low(計測中の最低フレームレート)”の値も示されていた。競合CPUに比べて、AMDのCPUはかなり高い結果が計測されていた。

Ryzen 7 9800X3Dと9700Xを「ものすごく売れた」と紹介。購入した読者も多いのでは?

 続いて話題はGPUへ。佐藤氏は「CPU以上にインパクトがあったのがRadeon RX 9000シリーズ」と語る。みなさんのおかげで本当に売れました。Radeon復活! と言える製品になりました」と、会場に集まったAMDファンに感謝の言葉を述べた。

 3月に発売した「Radeon RX 9070」と「Radeon RX 9070 XT」は、競合の「GeForce RTX 5070 Ti」と比べて、ほとんど差がないどころか一部では勝っている。佐藤氏は「パフォーマンスは同じでも価格は安い。その結果、いまRadeon 9000シリーズが多くのゲーマーに選ばれ、大ヒット製品になった」と分析した。

こうして改めて見ると、佐藤氏の言う通り2025年のAMDの勢いは強烈だったと思えてくる

業務用の製品も紹介。2025年7月に発売されたワークステーション向けのCPU「Ryzen Threadripper 9000」。佐藤氏が「本当のモンスターCPU!」と説明した

AI用途で需要が高まっているプロ用グラボ
Radeon AI PRO R9700

 佐藤氏が最後に紹介したのは、VRAM32GB搭載のプロフェッショナル向けGPU「Radeon AI PRO R9700」。最近は言語モデルの小型化に加え、コスト削減やデータ流出の観点からローカル環境でAIを運用するニーズが高まっており、そんな条件に合致した「Radeon AI PRO R9700」は、AI業界から非常に注目されているとのこと。

20万円中盤から後半で販売されているGPU。こちらもけっこう売れているそううだ

 スペックは9070XTとほぼ同じで、VRAMを32GBに増量。佐藤氏は「ベース機を改良した製品なので、コストを抑えることに成功した」と語った。この製品は最大4枚まで挿せるのが特徴。それぞれのVRAMをひとつのメモリーとして認識させられるので、128GBのVRAMとして運用できる。これによって、専門家が使うような大きなLLM(大規模言語モデル)を使えるとのこと。

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