「大人のシール」「こぐまパン」が2026年にブレイクする……かもしれない
「ラブブ」の流行をヤフーは見抜いていた!? データが示す“2026年のヒット候補”とは
2025年12月05日 17時00分更新

データ分析によるトレンド予測
ラブブの検索数は「240倍」も増えた!
ヤフー・データソリューションは、LINEヤフーが保有する検索行動などのビッグデータを活用し、過去に独自のヒット予測モデル「商品トレンドマップ」を開発してきた。

2022年末から、翌年にブレイクが期待される商品やトレンドを選定する形で、毎年レポートを公開してきた。なおこの機能は、2023年8月以降、「DS.INSIGHT Trend」として提供しており、契約ユーザーであれば誰でも利用が可能である。
過去の予測では、2025年ヒット予測として挙げられた「ラブブ」が実際に検索数で大きな伸びを見せ、最大でおよそ240倍増と非常に大きな上昇を記録。さらに2025年の流行語大賞候補にも挙がるなど、予測モデルの有効性が改めて示されたという。


2026年に注目される10のキーワード
「大人のシール」「こぐまパン」など
同社による12月3日のレポートでは、2026年に「ブレイクの可能性が高い」と分析された10のキーワードが発表された。
・「大人のシール」
・「コグマパン」
・「ちきゅうのにわ」
・「ハイロックス(HYROX)」
・「mojojojo」
・「ラーティアオ」
・「近沢レース店」
・「アフューム(arFUM)」
・「ブラインドボックス」
・「ヨアジョン」
これらは、昨今の検索動向や過去のデータをもとに、トレンドスコアを算出して選定されたものである。
「大人のシール」は、ぷっくりした質感の「ボンボンドロップシール」がきっかけとなり、懐かしさと新しさを兼ね備えた“シール文化のリバイバル”として捉えられている。検索では「大人のシール帳」「大人の図鑑シール」「おはじきシール」といった関連ワードが上昇中だ。
「コグマパン」は、韓国語でさつまいもを意味する「コグマ」にちなんだパンで、さつまいもを練り込んだ生地やスイートポテト餡を使い、見た目も本物のさつまいもに似せたものが多い。SNS映えしやすいビジュアルや、甘さを楽しめる点で、韓国カフェやベーカリーでの人気が日本にも広がりつつある。
また「ちきゅうのにわ」は、子ども向けの室内型プレイグラウンドで、地球や自然をモチーフにしたエリア(空、火山、氷山など)で、0歳から12歳までの子どもが遊べる施設。2023年に東京都内で第1号店をオープンして以降、展開拡大とともに検索数が増加している。
「ハイロックス(HYROX)」は、1kmランニングと8種のワークアウトを交互に実施するフィットネスレース。ドイツ発祥で、世界30ヵ国以上で開催されてきたが、日本でも近年注目を集めており、競技としての人気が高まっている。
そのほか、「mojojojo」は手縫いぬいぐるみブランド、「ラーティアオ」は中国発のスパイシーなスナック、「近沢レース店」は1901年創業の老舗レース専門店、「アフューム(arFUM)」は韓国発の“映える洗剤”ブランド、「ブラインドボックス」は中身が見えないランダム封入のグッズ販売方式、「ヨアジョン(YOAJUNG)」は韓国発のフローズンヨーグルト専門店となっている。
いずれも、それぞれの領域で現在注目されつつある、あるいは再び注目を集めそうな存在としてリストアップされている。
今回の予測の意義とは?
「検索数=ヒット」ではないということに注意
今回のようなトレンド予測は、単なる「なんとなく流行りそう」という予感ではなく、実際の検索行動から算出された統計をベースにしている。
こうしたアプローチにより、消費者の潜在的な興味や関心の芽を早期に捉え、企業やマーケティング担当者が先回りで動きやすくなる可能性がある点に価値がある。
一方で、あくまで検索数増加の可能性をもって「ヒットの予測」としており、実際の売上や社会的なブームになるかどうかは別の話である。かつて予測された「ラブブ」が実際に大きく伸びた例もあるが、「検索数=ヒット」ではないという前提を忘れてはならない。
また、予測対象はあくまで「キーワード/トレンド」であり、実際の商品の品質や流通状況、競合状況など、さまざまな変数が結果に影響を与える。ゆえに、今回挙げられた10項目のうち、すべてが2026年にブレイクする保証はない。
しかし、過去に予測された「ラブブ」の成長が実証されたように、こうしたデータドリブンの予測には一定の信頼性があると考えられる。
2026年、これらのアイテムのなかから、本当にブレイクするものが現れるのか。引き続き、検索動向や流通の動きに注目したい。








