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AIエージェントに選択肢 「AWS re:Invent 2025」レポート 第1回

今年もAWS re:Invent 2025が開催 まずはレガシーシステムの移行サービスを強化

自社独自のレガシーシステムの移行・マイグレーションが容易に AWS Transformが強化

2025年12月02日 07時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2025年12月1日、Amazon Web Servicesは、レガシーシステムの移行とモダナイゼーションをAIエージェントで効率化する「AWS Transform」を強化。ユーザー独自の移行ロジックに対応する「AWS Transform Custom」を発表し、Windowsアプリケーションやメインフレーム対応も強化した。

AWS Transform

AIエージェントによるレガシーシステムの移行とマイグレーションを加速

 レガシーシステムの移行とモダナイゼーションは、多くの企業で技術的な負債となっており、IT予算とリソースの3割を消費していると言われている。メインフレームは保守運用にも多くのコストがかかり、開発者がすでに退職することも多い。また、より最近のWindowsやJavaのアプリケーションも、バージョンアップに追従できず、クラウドネイティブ化やAIへの対応が遅れる事態も増えている。

 今年の5月に発表された「AWS Transform」はレガシーシステムの移行とモダナイゼーションをAIエージェントで効率化する。アプリケーションモダイナイゼーションの工数やライセンスコストの削減に寄与する。

 現在AWS Transformはメインフレームのリファクタリング、クラウドネイティブ化に寄与するVMware、Windowsアプリケーションの移行とモダイナイゼーションに対応している。リリース以来、すでにグローバルでは数百社に利用されており、メインフレームのアップコードなど10億以上の処理、80万時間以上の手作業が削減。技術的な負債を解消し、イノベーションに利用する時間を増大させているという。

JavaやPython、Node.jsなどのバージョンアップを効率化

 今回発表された「AWS Transform Custom」は、バージョンアップやラインタイムの移行、複雑な言語変換、アーキテクチャの変更などを可能にするユーザー独自の移行シナリオを自然言語で構成できる。エージェントは複数の処理を並列的に実行できるため、大規模に実行できる。組織全体や複数のリポジトリに渡って、一貫性を保ちながらコードを生成できる。

 CLIやWebインターフェイスによる変換定義が可能で、複数のコーディングエージェントと連携させることも可能。また、AWSがOut-of-the-Boxと呼ぶシナリオ定義済みのJava、Python、Node.jsのバージョンアップグレードと各言語のAWS SDKのアップグレードを行なう6つのAIエージェントが提供される。プロジェクト進行はおおよそ5倍近く高速化し、JavaやNode.jsのバージョンアップも85%効率化されるという。

AWSから提供されるAIエージェント

 AWS Transformも強化された。Windows環境に関しては、.NETのモダナイズに加え、データベースやユーザーインターフェイス、アプリケーションコードのフルスタックの変換も可能になった。コードをEC2やECSにデプロイし、エンドツーエンドでプロセスを検証することもできる。パフォーマンスも5倍高速化し、ライセンスコストも70%削減できるという。

 メインフレームに関しては、これまでのリファクタリング機能に加え、メインフレームの再設計を強化する「コンポーザビリティ」機能が追加。インテグレーターやパートナーが、AWS Transform上にオリジナルのワークフローを構築し、顧客に提供することが可能になるという。VMwareのワークロードに関しても、プランニングや依存性マッピング、ネットワーク移行などで信頼性の高い移行が可能になる。

 なお、AWSは現在、米国ラスベガスにおいてフラグシップイベント「AWS re:Invent 2025」を開催中。今週中にさまざまな新発表が行なわれる予定となっている。

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