日本法人設立発表会を開催、Grafana利用企業のグリー、ソラコムも登壇
オブザーバビリティのGrafana Labsが日本進出 「“黒船”としてパラダイムシフトをもたらす」
2025年11月17日 09時00分更新
オープンソースソフトウェア(OSS)ベースのオブザーバビリティプラットフォーム「Grafana Cloud」を展開する米国Grafana Labsが、2025年11月12日、日本法人(グラファナラボ日本)の設立を発表した。
同日開催された発表会には、Grafana Labsの共同創業者でCEOを務めるラジ・ダット氏、日本法人カントリーマネージャーのアンディ・シュワベッカー氏らが出席した。またゲストとして、Grafana Cloudを利用している国内企業からグリー(GREE)とソラコム(SORACOM)が、またGrafana Labsの国内販売パートナーとしてサイオステクノロジーも登壇した。
人気のオブザーバビリティツール「Grafana」をフルマネージドで提供
Grafana Labsは、オブザーバビリティ/ダッシュボードツールの「Grafana」をオープンソースモデルで開発すると共に、その商用版クラウドサービスとしてGrafana Cloudを展開する企業だ。2014年に、ダット氏ら3人の共同創業者が設立した。
OSS版Grafanaは、多様なデータソースからメトリクスやログ、トレースを収集/相関付け/可視化できるツールとして、開発者やSRE(サイト信頼性)エンジニアに高い人気がある。現在は、グローバルで2500万以上のユーザーに利用されている。
Grafana Cloudは、このGrafanaをベースとしたエンタープライズ/大規模環境向けのフルマネージドサービスであり、高いスケーラビリティや長期間のメトリクス保持などを特徴としている。こちらの利用社数はグローバルで7000社以上に上る。
ダット氏は、Grafana Cloudは“オープンさ”を重視した“オープンオブザーバビリティクラウド”だと説明する。OSSというだけでなく、オープンスタンダードへの準拠、オープンなエコシステム構築、そして企業活動においても透明性(オープンカルチャー)を大切にしているという。
ユニークな特徴の2つめとして、ダット氏は、大幅な利用コストの削減を可能にする「Adaptive Telemetry」を紹介した。一般的なオブザーバビリティクラウドサービスでは、送信されたテレメトリデータの量に基づく従量課金となっており、無駄なコストが発生しがちだ。Grafana Cloudの場合は、テレメトリデータの中で価値の高いもの、使用頻度の高いものだけをAIで自動選別し、重要度の低いテレメトリは集約/サンプリングなどを適用することで容量を縮減し、コストを最適化するという。
最新の機能として、生成AIアシスタントの「Grafana Assistant」も紹介した。チャット型インタフェースでの対話を通じて、Grafanaの使い方やトラブルシューティングのヒント、さまざまなクエリやビジュアライズなど、初心者から経験豊富なエンジニアまで活用できる機能だという。ダット氏は、こうしたAIアシスタントは、オブザーバビリティツールとの関わり方における「新たなパラダイムになる」と、今後への期待を述べた。

















