中国の重慶市は激辛料理の都市としても知られているほか、世界最大の面積を誇る「市」でもあります。市の中心部は絶景の中をモノレールが走っており、その道の人にとっても滞在が楽しい場所です。そんな重慶にスマートフォンを求めて行ってきました。
重慶市中心部の最新スマホ事情
ショッピングモール「天街」の探索
中国の大抵のショッピングモールにはスマートフォンメーカーの店舗が入っています。規模が大きければ全メーカー、すなわちファーウェイ、シャオミ、OPPO、HONOR、vivoさらにサムスン、そしてアップルの正規代理店が入っています。
今回は重慶市中心部にある「天街(Paradise Walk)」を訪問。外から目立つ場所にファーウェイの店舗があり、1階はEV中心、2階にはスマートフォンなど店舗規模も大きめです。
ファーウェイの店がある区画は1Fにサムスン、2Fに他のメーカーの店舗が入っています。サムスンストアでは中国限定の高級折りたたみモデル「心系天下 W26」も展示されており注目を集めていました。
訪問したのは10月中旬。中国ではハイエンドモデルの新製品ラッシュが続いており、OPPOの店舗には「Find X9」シリーズ、vivoには「X300」シリーズ、HONORには「Magic8」シリーズが展示されていました。
ASUSストアもあるのですが、残念ながら中国ではROG PhoneとZenfoneの展開はありません。一方で、中国でのみ販売しているデザイン特化のノートPC「a豆」シリーズが展示されていました。天板中央に香水をしみこませたコットンを収納するスペースがあるという、女性をターゲットにしたモデルもあります。コスメブランドのANNA SUIとコラボした製品も販売しています。
ディープな体験へ! 地下通路で発見された中古スマホの列
中国の都市にはどこにでも「携帯城」と呼ばれる、スマートフォンを扱う店の集まったエリアがあります。重慶市にもあるとのことで、地下鉄で大坪駅へ。地上へ出るため地下道の出口へ向かうと、何やら「手机」(携帯電話)と書かれた看板が目に入ってきます。
進んでみると、地下通路の左右に中古のスマートフォン店が並んでいました。一昔はこの光景は上海や広州などでも見られたのですが、大都市圏ではほぼ消滅してしまっています。重慶では今も昔ながらに、このような場所で中古スマートフォンが販売されているのでした。
この手の場所で「iPhone 17のオトクな中古はないか」など、最新モデルを探すのは無意味です。そもそもそんな端末をここで買うお客さんもいませんし、店としても高価な端末を在庫する余裕はありません。日本の中古スマートフォン販売店とはターゲット層が違うのです。
ざっくりみると3~5年前あたりの端末が多く、それよりも古いものや1年くらい前のモデルもちらほらとあります。筆者はこの手の場所に来たら、昔のレアな端末を探します。つまりコレクション用ですね。
すべての屋台を見て回ったところ、今でも名機と呼ばれるファーウェイの「Mate 20 X 5G」を見つけました。2019年発売でファーウェイの中国向け初の5Gスマートフォンです。程度は良好ですが、この手のお店で販売しているものなので、外装は交換されているかもしれません。そのあたりは理解して買うのが賢明です。
地上の通信専門ビル群と新品、中古、そしてフィーチャーフォンの需要
地上に上がると大きなビルが見えてきます。手前(右)が「新浪通信市場」、奥(左)が「中嘉通信城」です。規模は大きいのですが、店舗は半地下から3Fまでです。
新浪通信市場の半地下には新品を売る店が入っています。中国にありがちな古いビルなので、フロアはややくたびれていますが、最新モデルも扱っていました。定価より若干安く変えるということでお客もそこそこ来ていました。
1Fから上は中古モデルやケース、フィルムなどのアクセサリーを売る店が入っています。ビルのフロアすべてではなく、実際は1/3程度のエリアが売り場なので、中はそれほど広くはありません。
隣の中嘉通信城はさらに規模が小さく、中古とケースなど新浪通信市場の上層階と入っている店の種類は同じです。なお、フィーチャーフォンの新品をまだ売っている店もありました。地方都市では、まだまだ低価格なフィーチャーフォンの需要があるのでしょう。
重慶には観光で訪れる人もいるでしょうが、ショッピングモールに行くだけでも最新の中国スマートフォンを体験することができます。そして、ディープな体験をしたいのならば、携帯城に行くのもいいでしょうね。
なお、食べ物は基本辛いので、辛さを選べる場合は「無辛」が無難です。筆者は「標準」を選んで失敗しました(でも美味しかった)。

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