日本の出版業界が、生成AIによる著作権の扱いに危機感を示している。
10月31日、公益社団法人日本漫画家協会と集英社がそれぞれ声明を発表した。きっかけは、OpenAIの動画生成AI「Sora 2」だ。生成されたAI動画のなかに、既存のアニメや漫画作品に酷似したキャラクターが多数確認され、著作権侵害の疑いが指摘されていた。
漫画家協会をはじめとする業界18社・団体が連名で発表した「生成AI時代の創作と権利のあり方に関する共同声明」では、「AI 事業者が権利者に対してオプトインを申請し使用許諾を得ることの徹底」を主張。OpenAIがSoraで採用している「オプトアウト方式」は、「著作権法や国際条約の原則に反する」と批判した。
声明はさらに、AI事業者に対して、学習データの透明性確保や、許諾を得た権利者への対価還元などを求め、利用者が意図せず他者の権利を侵害するリスクを防ぐために、行政や企業との連携を呼びかけた。
一方、同日発表された集英社の単独声明では、「心血を注いで作品を作り上げた作家の尊厳を踏みにじり、 多くの人々の権利を侵害することのうえに成立してよいはずはありません」と強い言葉でAI学習による著作権侵害を批判した。さらに、オプトアウト以上の実効的な侵害対策、権利者に対する救済策を打ち出さない限り、「侵害のスパイラルは止まらない」として、国レベルでの法整備を求めている。







