「毎回似た内容の繰り返しになっている」と回答した非管理職は半数以上
上司は満足、部下は冷め気味……職場の1on1が形だけに、部下の約7割「モチベ上がらない」
2025年10月27日 12時00分更新

上司と部下が定期的にマンツーマンで実施する対話、いわゆる「1on1ミーティング」(以下、1on1 MTG)。導入が進んでいる企業が少なくない一方で、実際に「継続的に/効果的に運用されている」かという観点では“導入済”というだけではない課題もあるようだ。
MENTAGRAPHは、国内のビジネスパーソン724名(管理職300名/非管理職424名、年齢22〜65歳)を対象に「1on1 MTG)」の実態調査を実施。結果を10月14日に発表している。
調査によると、まず1on1 MTGを「実施している」と回答した企業の割合は41.3%にとどまっている。
また、1on1 MTGを「必要だ」と感じている回答者は75.1%に上り(「とても必要」15.3%、「必要」59.8%)、制度としては広がっている、必要とされているといえるだろう。

その一方で、非管理職(部下側)に「1on1 MTGを通じてモチベーションが上がったか」を聞いたところ、「大いに上がった:0.9%/上がった:7.3%/やや上がった:23.8%」の計32.0%にとどまり、およそ7割が“モチベーションの向上を実感していない”という結果になった。

同じく非管理職の「現在受けている1on1 MTGの満足度」では「満足:4.7%/やや満足:31.8%」を合わせても36.5%にしか達していない。

運用上の課題として「毎回似た内容の繰り返しになっている」と回答した非管理職が51.9%、「表面的な会話に留まり、本質的な議論に発展しない」と回答した人が42.8%に上った。

1on1 MTGが「形だけ・形骸化」してしまっている、または「マンネリ化」しているという実感が、少なくない人数の回答者にあるということになる。
一方、1on1に手応えを感じている管理職はおよそ半数(十分な手応えを感じている:5.7%/ある程度手応えを感じている:43.7%)と、部下側の満足やモチベーション実感の割合を上回っており、認識のギャップが浮き彫りになっている。

調査結果を受け、報告書では「企業においては、上司と部下間で期待と評価の基準をすり合わせ、成果につながる対話設計へアップデートすることが、1on1 MTGの形骸化・マンネリ化を乗り越え、現場の納得感とパフォーマンス向上につながる」と提言している。
本調査が示す点として、制度としての1on1 MTGが「行われている/必要とされている」段階にある一方で、「目的・内容・実効性」の観点で課題を抱えていることが明らかになった。
特に、部下側のモチベーションや満足度が低めであるというデータは、マネジメント改革の上で無視できないシグナルといえそうだ。








