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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第846回

Eコア288基の次世代Xeon「Clearwater Forest」に見る効率設計の極意 インテル CPUロードマップ

2025年10月20日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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 インテルはHot Chips 2025で、"Clearwater Forest the Next Generation Intel Xeon Processor with Efficiency Core"と題した講演を行なった。ただインテルは10月初頭にIntel Technology Tour 2025を開催しており、ここでもClearwater Forestの詳細が公開されている(こちらのツアーはKTU氏が参加しているので、いずれツアーの説明もあるかもしれない)。そこで、両方の情報をまとめる形で解説していこう。

 インテルは「1分45秒でわかるIntel Technology Tour 2025」を公開しており、Clearwater Forestの出荷開始時期は2026年前半になると説明。ウェハーの写真やパッケージなどを公開している。

Clearwater Forestのウェハーを示すKevork Kechichian氏(EVP, Data Center Group)

どう見てもコンピュートタイルがアクティブベースタイルの上に載っているように見えないのだが、実は単なるメカニカルサンプルなのではなかろうか?

Clearwater Forestは、ランドの配置がなかなか興味深い。なぜ上下端が妙に空いているのだろうか?

Eコアを採用する次期Xeonのコードネーム
Clearwater Forest

 Clearwater Forestは、Intel 18Aで製造されたCPUタイルが4枚ずつ、アクティブベースタイルに載せる。これが3組並んで、両端にはI/Oタイルが接続されるという構造である。

CPUタイルのみがIntel 18Aで製造される

 Tech Tourの方ではもう少し詳細が公開されており、アクティブベースタイルがIntel 3、I/OタイルがIntel 7である。そして間は12基のEMIBで接続されるとしている。

アクティブベースタイルとI/Oタイルを12基のEMIBで接続する。EMIBタイルの長さが異なることに注意。どうしてこうなったのか興味深い

 そのCPUタイルについて。まず利用されるEコアであるが、限りなくSkymontに近い。

Hot Chipsの時点では、Eコアのコード名は公開されなかった

 Front-End/Out-of-Order Engine/Execution Engine/Memory Subsystemのすべての構成が、Arrow Lakeで搭載されたSkymontと完全に同じとなっている。

Front-Endの特徴がSkymontとまったく同じ。おそらくPrediction周りもSkymontと同じなのだろう

Out-of-Order EngineもSkymontと同じ。ウインドウサイズなどは後で出てくるが、これも同じだ

Execution Unitは1:1で該当するスライドがないのだが、これもSkymontと中身は同じ

Load/Store UnitもSkymontとまったく一緒

 この新コア、実際にはDarkmontというコードネームとなっているが、Skymontとの違いはおそらくサーバー向けの拡張、すなわちECCのサポートやセキュリティ機能などの部分のみで、Skymontはクライアント向けということで無効にした機能を有効化しているだけと思われる。

左はCrestmont、右がDarkmontとなる。実行ユニットの処理性能そのものは、Crestmontの2倍ある

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